2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

要約力 和田秀樹

プロジェクト・マネージャーの要約力 ①財務分析②スケジュール管理③人材管理④リスク管理 集団心理の落とし穴「リスキーシフト」に気を付ける 集団の中には理想論を述べる人物が必ず出て来る。これによりリスクへの認識が甘くなる危険が生じることに気をつけな…

エスピオナージ 麻生幾

スパイ小説を書かせたら、臨場感といい、リアリティといい、麻生幾の右に出る者はいないんじゃないかなあと思わせる作品でした。面白かった。

警官の血(下) 佐々木譲

このミステリーがすごい!2008年版第1位。全ての謎が下巻で明かされる。「和也もまた特命を受ける。半世紀を経て、和也が辿りついた祖父と父の、死の真実とはー」この小説が好きな人は多かったですね。

努力論 幸田露伴 「直接」の努力と「間接」の努力 小さな努力で「人生の幸福」を増やす法 齋藤孝 訳・責任編集

「努力していることを忘れて努力する」ことを最終目標としている本書。百年に一度の頭脳と言われた露伴が2つの努力をどう実践したらよいか、露伴自身の経験を踏まえて書いたとされる。 努力にはどこから着手するのかの「かんどころ」が大事だ、「普段の気づ…

宇宙を織りなすもの(上) 時間と空間の正体 ブライアン・グリーン 青木薫訳

相対性理論と量子力学はとても相性が悪く、それを統合する統一理論の筆頭株として超ひも理論を展開する著者が、物理学や数学音痴の読者にも分かりやすく現代物理学や宇宙論を教えてくれる、本年一番面白かった本です。 空間とは何か、時間とは何かを問い、時…

「超」入門 失敗の本質 鈴木博毅

序章 日本は「最大の失敗」から本当に学んだのか? 第1章 なぜ「戦略」が曖昧なのか? 01 戦略の失敗は戦術では補えない 02 「指標」こそが勝敗を決める 03 「体験的学習」では勝った理由はわからない 04 同じ指標ばかり追うといずれ敗北する 第2章 なぜ、…

警官の血(上) 佐々木譲

このミステリーがすごい!2008年版第1位。普通にそこそこ面白い。帯封には「戦後闇市にはじまり、全共闘、そして現代まで、警官三代の人生、昭和から平成の時代の翳、人々の息づかいを描き切る」とあるが、そんな小説でした。

王妃の離婚 佐藤賢一

第121回直木賞受賞作。醜悪な王妃(ジャンヌ)と関係が持てない王(ルイ12世)との中世フランスでの離婚裁判劇。途中からカッコよく登場するフランソワ弁護士が加わって俄然面白く話が展開する。判事、検事、弁護士は皆聖職者でなければなれないという…

震度0 横山秀夫

警察内部の裏側を描く、いつもの横山小説節は健在。ただし読後感があまり救われない。

伯爵夫人 蓮實重彦

第29回三島由紀夫賞受賞作。東京大学元総長のネームバリュに加えて、テレビでの受け答えがニュースとして大きく取り上げられたことから、この小説を知っている人は多いはず。しかし、読んで理解できた読者は果たしてどれだけいたのか甚だ疑問だ。小説として…

極秘資金 長岡哲生

週刊ダイヤモンドの元編集長、代表取締役専務を歴任し、本作が小説デビュー作とのこと。「高杉良氏絶賛!」の帯封につられて買って読んでしまった。よくあるM資金の類の巨大詐欺事件のからくりは・・・というものだと思う。普通に面白い本。

マネーロンダリング 橘玲

平成14年に出版された合法的脱税(タックスヘブン)を取り上げた経済小説(金融情報小説)。本年、筆者は新書大賞を獲得したが、本書を読んだ当時から着目していた作家の一人。この本がデビュー作のように帯封に書かれている。あの時代からこの問題に関心を…

あんぽん 孫正義伝 佐野眞一

韓国で食い詰めて対馬海峡を渡った孫一族と孫正義(帰化)が既得権益に対抗し圧倒的な業績を上げ続ける、一種のサクセスストーリー。著書名の由来は、あだな=安本(あんぽん)。佐野眞一の作品はどこまでが真実でどこからが問題を持つのか読み解くのが難し…

鉄道員(ぽっぽや) 浅田次郎

第117回直木賞受賞作。①鉄道員②ラブ・レター③悪魔④角筈にて⑤加羅⑥うらぼんえ⑦ろくでなしのサンタ⑧オリヲン座からの招待状 いずれも切ない。高倉健主演の映画は結局見なかった。いくつかは作家本人の苦労話が元になっているらしいが、どんな人生を送ってきた…

米国製エリートは本当にすごいのか? 佐々木紀彦

未来学者のポール・サフォーは、未来予測にあたって3つの要素を念頭に置くべきだと。「コンシスタンシー(不変性、恒常性)」「サイクル(循環)」「ノベルティ(新規性)」 歴史家のアーサー・シュレンジャー・ジュニアは、人が「社会的目的」にかられる時…

スノーデンファイル ルーク・ハーディング 三木俊哉訳

スノーデン「9・11後、アメリカを代表する報道機関の多くは、権力のチェック者としての役割、つまり政府の行きすぎに異を唱える責任を放棄してしまいました。愛国者ではないと見なされ、ナショナリズムの高まりのなか、市場でそっぽを向かれることを恐れたか…

プレゼン「力」 ~未来を変える「伝える」技術~ 山中伸弥、伊藤穣一

立ち読み程度の情報で恐縮ですが、プレゼンの3つの要素を指摘していたところに目がいった。①自分②われわれ③今、という構成を紹介して、実例としてオバマ講演をあげていた。また研究者が時間の大半をどう発表するか(どう伝えるか)に割いていると知って大層…

サイコパス 中野信子

勝ち組サイコパスの職業トップ10 1位 企業の最高経営責任者 2位 弁護士 3位 マスコミ、報道関係 4位 セールス 5位 外科医 (235P) ケヴィン・ダットンのセルフチェックリスト(213p) やってみたら、自分では高得点だったので「勝ち組サイコパス?」…

「情報」を学び直す 石井健一郎

面白い本を見つけた。平成19年の本なので少し古いが、この手の分野で分かりやすいものが少ないだけに貴重な資料だと思う。以下、私が関心を持った記述の要旨を記す 第2章 「情報」の生い立ち 1「情報」の語源 明治9年刊行の「佛國歩兵陣中要務寛地演習軌典」…

日本未来話 フォーラム21

梅下村塾29期生による書。不勉強のためかこれまでフォーム21に約950名もの塾生がいるとは知らなかった。松下村塾にならっての命名だそうだが、果たして社会的にはどのように評価されているのだろうか。異業種交流という観点から実行・実践に移したところまで…

糸女覚え書 芥川龍之介

きりしとほろ上人伝 黒衣聖母 神神の微笑 報恩記 おぎん おしの と続く短編小説の最後が「糸女覚え書」。解説を読んで、ガラシャの殉節であることがわかったが、ちょっと読みにくい。宗教に対する芥川の皮肉が込められているという解説を読んで、そんなよう…

るしへる 芥川龍之介

初出は大正7年11月。日本のDiabolusを一瞥しようと思う、として、①加賀の禅僧はびあん②華頂山文庫③鵜飼徹定を紹介しながら、善悪一如観が展開されているように思う。

奉教人の死 芥川龍之介

初出は大正7年9月。切支丹物の傑作の一つとされる。 「聖人伝」の中の「聖マリナ」を材源としたと解説にある。この元は「黄金伝説」であり、これも参照したかもしれないともあった。志賀直哉を除いて衆口一致傑作と称賛されているらしい。 美少年ロオレンゾ…

さまよえる猶太人 芥川龍之介

初出は大正6年6月。基督教国にはどこにでもさまよえる猶太人の伝説が残っている。という書き出しから始まる。イエス・クリストの呪を負って、最後の審判の来る日を待ちながら、永久に漂流を続けている猶太人の事。自分は2つの疑問に対し、東西の古文書を渉…

煙草と悪魔 芥川龍之介

初出は大正5年11月。牛証人と悪魔の知恵比べのような寓話になっている(解説・吉田精一)。 何だって、己の煙草畑を荒らすのだ、という悪魔の声を聞いた牛証人が「煙草」を言い当てて、ことごとく自分のものにした、というストーリー。

100分de名著 永遠平和のために カント 萱野稔人

純粋理性批判、実践理性批判、判断力批判に続いて、永遠平和のために、を71歳の時に出版。 国際的な連合こそが世界を平和に導く、として世界国家を否定したカント。支配する民族と支配される民族という分割が生じてしまうことを懸念したとのこと。含蓄深い。…

博士の愛した数式 小川洋子

第1回本屋大賞受賞作。映画もよかったです。271pに登場する eiπ+1=0 (1-1=0) 三角関数と指数関数が実は虚数を通じて繋がっていたことを示す、「我々の至宝」かつ「すべての数学の中で最も素晴らしい公式」とされるオイラーの公式(ノーベル物理学賞ファ…