2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

羊と鋼の森 宮下奈都

2016年本屋大賞、キノベス2016第1位、2015年ブランチブックアワード大賞受賞作。文章がとても美しい。一気に売れ出したようですが、それも当然ですね。 「明るく静かに澄んで懐かしい文体」「少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えてい…

砂塵に舞う大義 新ゴーマニズム宣言第13巻 小林よしのり

イラク戦争に大義がないことを問うた本書。平成15年3月に開戦。平成16年3月に本書初版第1刷発行。

若冲 澤田瞳子

2016年「この時代小説がすごい!」第1位。うなづける。文で絵の凄さ・凄まじさ・人の執念を書き表すのは至難の業だと思うが、見事にやり遂げている。4月22日から若冲展が始まるし、実物の絵を見れば、もっとこの小説の凄さが分かるのではないだろうか。それ…

よしりん戦記 ゴーマニズム宣言SPECIAL 小林よしのり

帯封の一部を紹介したい。 「平成4年 ゴーマニズム宣言連載開始 平成7年 新・ゴーマニズム宣言連載開始」 「平成10年戦争論刊行」 「平成12年台湾論刊行」 「平成15年イラク戦争」 そして平成15年12月 本書初版第1刷発行。 一部にカラー・写真…

小説 徳川吉宗 童門冬二

享保の改革を展開した、リストラの先駆者の吉宗に学べとの帯封がついた書。寛政の改革、天保の改革と並んで江戸時代の3大改革の一つを具体的に小説風に書いてある。人材の潜在能力を発揮させることもリストラ策の一つという観点は、正しく、ある意味では意外…

なぜ疑似科学が社会を動かすのか ヒトはあやしげな理論に騙されたがる 石川幹人

現実世界を扱う科学では、前提は常に疑わしく、厳密にいうと証明などありえないのだ(156頁)。 数学的な意味合いでの「証明」ということを問題にしているように読めるのだが、「証明」というのは社会の中では多義的用語であるから、こういう考え方もある…

スゴい「減価償却」 杉本俊伸+GTAC

減価償却という言葉自体、よく聞くけど、どういう意味合いか、必ずしも正確に理解しているわけではなかったので、勉強にはなった。でも、生半可な知識で対応できることではないので、何かあったら専門家に相談するしかないというのが結論だね。

七つの会議 池井戸潤

会社における内部告発と、それを押しつぶしてしまう社内力学。またそれに負けてしまう人間の弱さ。それでも、結局、外圧が加わることで、初めて告発が表に出て、軌道修正が図られる。いつの時代も、どのような会社でも、問題が深刻であればあるほど、ありが…