2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

神の法vs.人の法 スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層 内藤正典 阪口正二郎(編著)

少し古い本ですが、帯封の一節。 憲法学と社会学の共同作業による、比類なき一冊。最終章、樋口陽一氏を招いての鼎談は圧巻。 スカーフの意義、そしてそれを公共の場で着用を禁じるスカート禁止法のもつ意味、 そして、それを政教分離の観点、また社会学的観…

大絵画展 望月諒子

第14回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。ゴッホ作「医師ガシュの肖像」を盗み出すというだけのストーリーなら、タイトルの「大絵画展」はどういう意味なんだろう?と読み進めていくと、「大絵画展」とはそういう意味だったのか!と最後にわかる構成に…

日本人の誇り 藤原正彦

世界7大文明のひとつに数えられていた日本文明。その日本のよきところを回復せずにして現在の混迷した諸状況は変えられないと訴えかけている。東京裁判と南京大虐殺の否定こそがそのキモだと説く。筆者が100年戦争と主張する一連の歴史的経過に関して勉強…

民主主義という病い 小林よしのり

民主主義こそが最も素晴らしいというのは一種の洗脳教育の結果である、という筆者の主張は、結論だけ聞くと、違和感があるが、民主主義の成り立ち、アラブの春がもたらした現実を見ると、一定の説得力がある。国民主権ならぬ公民主権こそが日本に相応しいと…

ポイズンドーター・ホーリーマザー 湊かなえ

いつ頃からはやりだした言葉かわからないが、「毒親」をテーマにした小説。ただし、最後のホーリーマザーまできちんと読まないと、ポイズンドーターで止まってしまうと、??ってなります。反対に、ここまできちんと読めば、毒親をテーマにしたかったのは、…