2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

文藝春秋2020年9月 熊本豪雨災害は「脱ダム」の悲劇だ 川辺川ダムが建設されていたら、ここまでの被害にならなかった 藤井聡

7割ほど進んでいた川辺川ダムの建設。ところが突如2008年に中止に。今回の熊本豪雨災害は、「脱ダム」ブームの中で起きた人災であると主張する筆者。ダムによらない治水は①遊水池②放水路③引堤⓸堤防嵩上げがあるが費用の点で問題があり、しかもそれも工期が気…

仮想空間シフト 尾原和啓・山口周

2020年8月11日初版第1刷発行 『アフターデジタル』を共著で刊行した尾原さんと、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』を執筆した山口さんとの対談。今が旬なお二人の、現代的感性が溢れている、とても面…

別冊100de名著 ナショナリズム(愛国心・国家(民族)主義) 『君主論』ナショナリズム マキャベリ 島田雅彦 

レオナルド・ダ・ヴィンチは、マキャベリと共に「アルノー川水路変更計画」、そして「フィレンツェ海港化計画」という巨大事業の立案に加わったことがあります。 官僚マキャベリと軍事技術家ダ・ヴィンチが手を組み、途方もない計画を立てたことは、ルネッサンス期な…

放浪記 林芙美子

昭和3年に放浪記を連載して、一躍人気作家になる以前の、極貧の中、作品を書き続きるとともに、女工、女給など、働きづめの生活をしている様子と、男運がずっとない女性の、読んでいてやるせなさはよく伝わってきます。ただ読むのがしんどいなあと思うのも事…

寺山修司 ちくま日本文学 1935-1983

青蛾館より 猫目電球 全骨類の少女たち 書簡演劇 寺山修司は映画監督として認識していただけだった。 不勉強だったことを恥じる。歌人、劇作家として著名人だった。 その視点の斬新さ、というか、シュールな作風は、短編にも表出している。 「世界中の電球が…

男子の本懐 城山三郎

あの時代、軍部の独走を経済的に封じるために、金本位制を取り戻し、緊縮財政を貫こうとして、首相浜口雄幸(おさぢ)と蔵相井上準之助の、二人の信念を貫いだが故の、暗殺事件で命を落とすまでの、長編経済小説である。浜口が銃弾に倒れた直後の言葉「男子…

公安調査庁 情報コミュニティの新たな地殻変動 手嶋龍一 佐藤優

2020年7月10日初版 2020年8月20日3版 第1章 金正男暗殺事件の伏線を演出した「最弱の情報機関」 MI6という可能性 第2章 コロナ禍で「知らざれざる官庁」が担ったもの 公安調査庁には細菌・ウイルス戦の情報蓄積がある 手嶋 コロナ禍のさかな、世界の情報関…

日経文庫 VISUAL(ビジュアル) ビジネス・フレームワーク 堀公俊 

2013年8月8日1版1刷 2018年9月14日20刷 こちらも分かりやすくてとても良い本だと思います。 第1章 戦略立案のフレームワーク 1 3C(Customer顧客、Competitor競合、Company自社) 利害関係者の視点から考える 4C(Cooperator協力者を加える) 2 SWOT(…

詩経・楚辞 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 牧角悦子

平成24年3月25日初版発行 『詩経』と『楚辞』というふたつの詩集を、中国では「風騒」と呼びます。「風」は国風、つまり『詩経』のことであり、「騒」は「離騒」、つまり『楚辞』のことです。 地域で言うと、『詩経』の詩は、北方の黄河流域の国々の詩歌であ…

坂の上の坂 藤原和博

はじめに 『坂の上の雲』から「坂の上の坂」へ 序章 人生のエネルギーカーブに気を付けよ 第1章 世の中を信じる 1 無謀なことをやろうとするほど、人は応援してくれる 2 リスクを小さくする方法は、自ら生み出せばいい 3 自分の時間と、自分の仕事を取り…