2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

共生の思想(増補改訂) 未来を生きぬくライフスタイル 黒川紀章

1991年9月30日 改訂第1刷 日本的美意識の「侘び」「さび」について従来の簡素、寂しいという一方向的な捉え方に異を唱え、華麗と簡素の両義的美意識、華麗と枯淡の共生の中に美意識から「花数寄」という語を用いる著者。風姿花伝の世阿弥が「花」を能の生命…

猿橋勝子 女性科学者の先駆者 清水洋美

2021年3月 初版第1刷発行 本の構成とは違いますが、途中で、次のような内容が出てきます。 「地球上にある水は、いったいどれほどの量でしょう。 全部でおよそ14億立方キロメートルです。そのうちの約97.5%が海水で、約2%が氷河や万年氷、残りの0.5%が川…

リープフロッグ 逆転勝ちの経済学 野口悠紀雄

2020年12月20日 第1刷発行 表紙裏を書き写すと。 後から来た者が、蛙の跳ぶがごとく先行者を追い越してしまう。それがリーブフロッグだ。歴史を繙けば、大航海でヨーロッパが中国を凌駕し、イギリスがスペイン無敵艦隊を駆逐したように、大逆転の連続だった…

オリンピックを呼んだ男 田畑政治 近藤隆夫

2019年2月 初版第1刷発行 競泳は1896年第1回オリンピック(ギリシャ)以来、今も継続されている数少ない競技の一つ(他は、陸上、体操、自転車、フェンシング)。第2回(フランス)、第3回(セントルイス)、第4回(ロンドン)と続き、1912年第5回(ストック…

15歳の寺子屋 星の声に、耳をすませて 林完次

2013年9月26日 第1刷発行 私は、全くの星座音痴です。星座には全く疎いですし、ほとんど関心がありませんでした。この本に星座が出てくるたびに、ネットで一つ一つ叩かないと、何のこと?ってなってしまうのですが、でも、ネットで調べながら本を読み進めて…

救出 日本・トルコ友情のドラマ 木暮正夫

2003 年 10 月 25 日初版発行 2004 年 6 月 20 日第 3 刷 1985 年 3 月、イラン・イラク戦争の余波で、イラン・テヘランに居住していた日本人 500人余がそのままとどまっていれば命の保証がない状況の中で、いますぐ出国・帰国しなければならない時に、日本…

366日 アスリートの名言 SANSAI BOOKS編 執筆落合真彩 

2021年6月15日 第1刷発行 7/12 野獣になれ、京子。目いっぱい 目ん玉をひんむけ、男を超える、女を超えろ、人間を超えろ!野獣になれ!! アニマル浜口 1997年のこの日、京子が初優勝を果たした世界選手権75キロ級の決勝のマットに向かう際に叫んだ言葉。京…

15歳の寺子屋 宇宙少年 野口聡一

2011年6月23日 第1刷発行 宇宙から地球を見た野口さんは、「理解することと、体験することは違う。常識だと思っていたことも、当然すぎて疑問に思わなかったことも、実際にこの目で見ると、その意味の深さに気づかされる。地球が美しいことも、あらゆる命が…

どこかでベートーヴェン 中山七里

2016年6月8日第1刷発行 2016年7月16日第2刷発行 ピアノの天才・岬洋介。高校の同級生に嫉妬されながら、飄々として意に介さない。というか気づいていない。 同級生の岬の友達として登場する主人公が、高校で起きた殺人事件を、岬が解決していく様をそばでず…

卓球ジャパン女子 高樹ミナ

2020年3月 初版第一刷発行 東京オリンピックの卓球女子個人と団体戦の日本代表に選ばれた伊藤美誠選手と団体戦の日本代表に選ばれた平野美宇選手。惜しくも落選した早田ひな選手。皆2000年生まれのライバルでもあり、友人でもある。切磋琢磨してきた歴史がコ…

15歳の寺子屋 森をつくる C・W・ニコル 

2013年3月25日 第1刷発行 1940年、ウェールズで生まれ、40歳より日本で生活。1995年に日本国籍を取得。長野県の黒姫山のふもとに森を作って30年。森林が国土面積の67%を占めながら、豊かな原生林は実はいまや2%にまで激減。伐採した跡地に針葉樹のみを植える…

エイブラハム・リンカン アンナ・スプロウル 訳/茅野美ど里

1994年4月3日 初版第1刷 1809年2月12日、ケンタッキー州の農家の丸太小屋で生まれる。教室での教育は1年にも満たず。25歳で州会議員に。28歳で弁護士資格を取り、37歳で下院議員に。 1850年、ストー夫人の『アンクル・トムの小屋』がベストセラーとなり、自…

15歳の寺子屋 道しるべ 瀬戸内寂聴

2012年6月11日 第1刷発行 数々の文学賞を受賞された筆者ならではの貴重なお話があるのでは?と思って読みました(61年田村俊子賞『田村俊子』、63年女流文学賞『夏の終り』、92年谷崎淳一郎賞『花に問え』、96年芸術選奨文部大臣賞『白道』、01年野間文藝賞…

15歳の寺子屋 落語が教えてくれること 柳家花緑

2011年3月14日 第1刷発行 中学校時代(3年生)の通知表の写真をドーンと冒頭に丸ごと載せている!すごい勇気!本人が言うように確かに国語・社会・数学・理科・英語の、いわゆる主要科目が1・1・1・1・2となっている!落語家って頭のいい人がやるもんだ…

ベートーヴェンの真実 遺髪に隠された謎を追う ラッセル・マーティン&リディア・にブリー 訳/児玉敦子

2012年6月19日 第1版第1刷発行 ベートーヴェンの生涯をたどりつつ、1994年にベートーヴェンの遺髪を手にした2人のアメリカ人が最新の科学技術で遺髪を調査することで、様々な謎を解き明かそうとしたノンフィクション物語。 300曲以上の作品を作ったベートー…

100分de名著 万葉集 佐佐木幸綱

全20巻4500余首もある日本最古の歌集・万葉集の注釈書を書き上げた近代歌人として窪田空穂、佐々木信綱、土屋文明がいる。斎藤茂吉も『万葉秀歌』を出版。万葉集歌を批評するキーワードは「実用性」「文芸性」「気分」(窪田空穂)、「おのがじし」(佐々木…

ケーキの切れない非行少年たち 宮口幸治

2019年7月20日発行 2020年10月5日28刷 今までずっと無視していましたが、60万部突破!の帯封を見て、遂に買ってしまいました。 そもそも反省する前に、その前段階の認知機能そのものに問題があって、その支援をすることなしに反省させようとしても土台無理な…

52ヘルツのクジラたち 町田そのこ

2020年4月25日初版発行 2021年4月10日15版発行 本屋大賞第1位。『王様のブランチ』BOOK大賞2020受賞。読書メーターOF THE YEAR 20020第1位。 確かに近年の本屋大賞受賞作の中では抜きん出て面白い本だったと思います。親による子どもへの虐待、その原因も…

南方熊楠 森羅万象の探究者 新藤悦子

2019年3月25日初版 8歳で105巻もある『和漢三才図絵』(日本で初めての百科事典で言える辞書)を文字・絵を3年がかりで写し取る。他にも明の『本草綱目』(薬物、博物学をまとめた)52巻や『大和本草』も。古本屋で立ち読みした『太平記』を暗記して家に帰っ…

ノーベル賞受賞者が教えるノーベル賞をとる方法 バリー・マーシャル 訳/かとうりつこ

2018年10月5日第1版第1刷発行 バリー・マーシャル 胃かいようの原因がヘリコバクター・ピロリであることを発見し、2005年にロビン・ウォレンと共にノーベル生理学・医学賞を受賞。 マリーという少女とタイムマシンに乗って、多くのノーベル賞受賞者から話を…

グーテンベルク 印刷術を発明、多くの人々に知識の世界を開き、歴史の流れを変えたドイツの技術者 マイケル・ポラード 訳/松村佐知子

1994年3月初版第1刷 どうやらグーテンベルクについてはよくわかっていないらしい。ただ借金を繰り返し裁判を多く起こされ、その記録から少しだけわかるらしい。彼の発明を利用して、金もうけに走る人物がいた一方で、彼自身はお金がなくて苦しんだようです。…

小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し 筑摩書房編集部

2015年12月20日 初版第1刷発行 アイルランド人の父とギリシャ人の母のあいだに生まれる。名はパトリック・ラフカディオ・ハーン。幼少時にダブリンに両親とともに移住するが、両親の離婚によって親戚のもとで育つ。フランス、イギリスを経て、アメリカに渡る…

100de名著 黒い皮膚・白い仮面 フランツ・ファノン 小野正嗣

カリブ海のマルティニーク島、フォール・ド・フランスで生まれたファノン。 1952年、黒人差別の構造を暴いた『黒い皮膚・白い仮面』が刊行され、後世に影響を与える。ファノンに影響を与えた人物として、マルティニーク島出身の詩人エメ・セゼール(「ネグリ…

葛飾北斎 世界を驚かせた浮世絵師 芝田勝茂

2016年3月初版 2020年9月第7刷 LIFEが1998年に「過去1000年で世界の人々に影響を与えた百人」の中に、日本人からただ一人選ばれた、葛飾北斎。印象派の画家に与えた影響、ジャポニズム、マンガの原点など、並べたら確かに世界に大きな影響を与えたこ…

公害とたたかった鉄の人 田中正造 砂田弘

1981年11月19日第1刷発行 2016年9月7日第28刷発行 公害と闘った人である、というの恐らく誰でも知っている。しかし、いつ、どんなふうに闘ったのか。かつて何かを読んで少しは勉強したような気もするが、すっかり忘れてしまった。もう一度勉強しようと思い、…

インディラ・ガンディー -祖国の分裂・対立と闘った政治家 筑摩書房編集部

2015年12月20日初版第1刷発行 インディラ・プリヤダルシニ・ネル―が、フェローズ・ガンディーと結婚して、インディラ・ガンディーに。ガンディーの姓は夫の姓で、ハマトマ・ガンディーとは血縁的なつながりはない。父が初代首相のジャワハルラル・ネルー。祖…

世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン 渡辺順子

2018年9月19日第1刷発行 2019年1月23日第9刷発行 第1部 ワイン伝統国「フランス」を知る フランスでは産地のブランドを守るために「AOC法(原産地統制呼称法)」が制定されている、というのをこの本で知りました。「Appellation ○○ Controlee」(アペラ…

荻野吟子 日本で初めての女性医師 加藤純子

2016年3月初版 2020年6月第6刷 男性と女性が肩を並べて勉強することさえ難しい、明治初期の時代に男性に交じって、紅一点、刻苦勉励して、医師になる。医師を目指したのは、自身の体験から、男性の医師ではなく女性の医師に診てもらいたいと強く思ったから。…

ブライユ 目の見えない人が読み書きできる”点字”を発明したフランス人 ビバリー・バーチ 訳/乾侑美子

1992年3月1刷 1996年1月3刷 日本に目の障害者は32万人いるそうで、点字の読み書きができる人は4万人らしいです。点字が正式に認められたのは1925年投票で。その後大学受験でも点字が。最初は同志社大学。目に障害がある人にとり点字はとても大事なもの。そ…