論語の力 緑川浩司

対談1 徐 坰遙 (ソ キョン) 儒学文化研究所所長/韓国成均館大学校名誉教授

論語の力ー昌平黌の新生

第1章 現代社会で論語を学ぶ意義

第2章 孔子祭の沿革と意義ー校章の意味と「知行合一

 ”いわき”の音をとり、漢字の”以和貴(いわき)”を当てたとも言います。つまり、「いわき」には、聖徳太子の十七条憲法に謳われた「和を以て貴しと為す」の意義が込められているわけっです。

 昌平黌の前身に当たる開成夜学校の「開成」とは、『周易』繋辞(けいじ)伝に出てくる「開物成務」(かいぶつせいむ)からきています。

 「開物成務」とは、人がまだ理解していない万物の理知を悟り、理知により仕事をこなし、天下の業を成すという意味です。それとともに、人民を教化し、美しい文化を作る「化民成俗」があります。この二つを合わせて「開化」思想といいます。「開化」とは人間を開発する教育なのです。

第3章 修己治人ー人間力の育成と社会的知能指数(SIQ)

第4章 克己復礼ー人間力の育成と社会における「和」

 「弟子(ていし)、入りては則ち孝、出でては則ち弟(てい、=悌)、慎みて信、汎く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力有らば、則ち以て文を学べ(若者は家に帰って孝行をし、外に出ては友愛による誠実な行動で信じられなければならず、大衆を愛することを原則として、人間らしい人と、より親しくしなければならない。それでも時間が出来れば文字(知識)を学ぶようにしなさい」(学而第一)

第5章『論語』が発する青年への光 -孝悌・忠信と修身・斉家・治国・平天下の現代

「益者三友、損者三友」「直を友とし、諒を友とし、多聞を友とするは、益なり。便辟(べんへき)を友とし、善柔を友とし、便佞(べんねい)を友とするは、損なり(正直な人を友とし、真面目で誠実な人を友とし、博識な人を友とするのは、自分のためになる。逆に、体裁だけを気にする人を友とし、人ざわりだけがよい人を友とし、口先だけがうまい人を友とするのは、自分を損なうものだ」

「益者三楽、損者三楽あり。礼学を節するを楽しみ、人の善を道(い)うを楽しみ、賢友多きを楽しむは益なり。驕楽を楽しみ、佚(いつ)遊を楽しみ、宴楽を楽しむは損なり」

 

対談2 松岡幹夫 東洋思想研究所所長/同教授

論語法華経ー「東洋」の英知に学ぶ