世界の名画との語らい 聖教新聞外信部(編)

2019年12月5日初版発行 2020年2月16日3刷発行

 

第1部 国内美術館編

 第1章 エドゥアール・マネ〈散歩〉東京富士美術館

 第2章 ミレー〈種をまく人〉山梨県立美術館

 第3章 ゴッホ〈ひまわり〉東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

 第4章 マルク・シャガール〈枝〉三重県立美術館

 第5章 上村松園〈序の舞〉東京藝術大学大学美術館

 第6章 モディリアーニ〈ジャンヌ・エビュテルヌの肖像〉大原美術館

第2部 海外美術館編

 第7章 レンブラント〈夜警〉アムステルダム国立美術館

 第8章 アンリ・ルソー〈独立百年祭〉J・ポール・ゲティ美術館

 第9章 ピカソゲルニカ〉ソフィア王妃芸術センター

 第10章 アンリ・マティス〈ダンス〉ニューヨーク近代美術館

 第11章 ダヴィッド〈サン・ベルナール峠を越えるボナパルト〉マルメゾン城美術館

 第12章 ダ・ヴィンチモナ・リザルーブル美術館

 第13章 ゴヤ〈1808年5月3日、マドリードプラド美術館

 第14章 モネ〈睡蓮 大装飾画〉オランジュリー美術館

 第15章 ルノワールムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会〉オルセー美術館

 第16章 クラムスコイ〈忘れえぬ女〉トレチャコフ美術館

 第17章 ラ・トゥール〈ヴィエル弾き〉ナント美術館

第3部 芸術紀行編

 第18章 クロード・モネの芸術を訪ねて

 第19章 ポール・セザンヌと”聖なる勝利山(サント・ビクトワール”

 第20章 ゴッホジャポニズム

第4部 オピニオン編

 森佳子(森美術館理事長)ー東京・六本木ヒルズ「文化による街づくり」の拠点

 原田マハ(小説家)ー『ゴッホのあしあと』を上梓して

 蓑豊(兵庫県立美術館館長)ー3年に1度の”文化の祭典”ICOM京都大会に寄せて

 河野元昭静嘉堂文庫美術館館長、東京大学名誉教授)ー「百花繚乱 ニッポン×

 ビジュツ展」特別講演会から

 ピエール・ローザンベール(ルーブル美術館名誉総裁・館長)ー「フランス絵画の

 精華」展によせて

 

蓑豊氏の「ボディーブローを打ち続けて、相手を徐々に疲れさせて倒すボクシングのように、美術館関係者も、鑑賞者が来てくれるように、これでもかというぐらい工夫を重ねないといけない。”素晴らしい作品があるから見てください”と座して待つようではいけないのです」との言葉が印象的。

 

カラー版なので絵画を紹介しているページは素晴らしい。

絵の感動を言葉で伝えるのはなかなか難しい。隠れたエピソード、時代背景、画家の人となり等を知りながら、絵を楽しむということ、そして実は絵を楽しんでいるようでいて、実はもっと深いものを楽しむことが出来るというのは、芸術あるいは文化が持っている底の深い、そこに何かがあるからなのだろう。そのことを読者に伝えようと努力しようとしている感はある。が、もう少し、踏み込んだ切り口なりが欲しかったようにも思う。