モンテ・クリスト伯 巌窟王 デュマ/作 矢野徹/訳 金斗鉉・篠崎三朗/絵

1989年5月10日第1刷発行 2019年2月19日第50刷発行

 

有名な「待て、そして希望をもて」で終わる、名作中の名作です。

友人に裏切られ、14年間の地下牢に閉じ込められたダンテスが、隣の牢の神父に学問と宝のありかを授けられ、脱走に成功した後、宝を手に入れ、モンテクリスト伯と名を変えて復讐を果たす物語。ジェットコースターのように物語が勢いよく次から次へと流れていく手法こそが、一種の推理小説のようでもあり、新聞小説として一世を風靡した面白みなんだと改めて思いました。

ちなみに、最後の場面で、親友の子どもであるマクシミリヤンに宛てたダンテスの手紙の中で、冒頭の名文句が出てくるのだが、マクシミリアン(とバランティーヌ)は、この手紙にあるように、ダンテスとは再会できたのでしょうか。そんな卑近なことを考えながら読み終えてしまったのは、最近の私には想像力が欠如してしまったからなのかしら?などと、つまらぬことをつい考えてしまいました。