戦後思想の名著50 岩崎稔 上野千鶴子 成田龍一編

川島武宜 日本社会の家族的構成

 学生書房1948年 日本評論社1950年 岩波現代文庫(改訂版)2000年 千田有紀

 

 日本の民主化こそが最大の課題であるという前提で、生活の根幹をなす家族制度の改革を目指す。

 封建的、前近代的な日本の家族制度と、アメリカの家族に見られる民主的、近代的家族制度とを対置して論じる。

 もっとも、川島理論の限界にも言及しながら、平和を希求する代替的理論が打ち立てられていない現状の日本社会の問題点も指摘して締めくくっている。

 名前だけ聞いたことがあった程度だったが、戦後すぐにこういった研究を営々と続けていた学者さんだと、改めて認識。