15歳の寺子屋 道しるべ 瀬戸内寂聴

2012年6月11日 第1刷発行

 

数々の文学賞を受賞された筆者ならではの貴重なお話があるのでは?と思って読みました(61年田村俊子賞田村俊子』、63年女流文学賞『夏の終り』、92年谷崎淳一郎賞『花に問え』、96年芸術選奨文部大臣賞『白道』、01年野間文藝賞『場所』、06年国際ノニーノ章、08年安吾賞、11年泉鏡花文学賞『風景』)。

15歳向けの本なので、①疑うこと、②挑戦すること、の2つを勧めています。戦争体験から①が重要だと。それに、自らの小学生時代の本をたくさん読んだ経験から、「創造力」=「思いやり」を身につけようとも。

筆者にとっては「源氏物語」「堕落論」が大きな影響を与えたようです。また小説家になるため離婚し、また出家して自己を深めようとする。スペンサーの「若き日に薔薇を摘め」との言葉を若い人に贈っています。これは②の挑戦することへの勧めですね。

岡本太郎さんの「より危険な方向にいきなさい」とのアドバイス。「忘己利他(もうこりた)」という言葉。若い人に色々なことを語っておきたいという心は伝わってきます。そんな本でした。