知的再武装 60のヒント 池上彰/佐藤優

2020年3月20日 第1刷発行

 

第1章 何を学ぶべきか

再読のお薦めの中では、『太平記』や『唯識入門』が読みたくなった。

『日本国勢図絵』『世界国勢図絵』は読んだことがないので、佐藤さんお薦めの必読書として読んでみたい。名著・澤田昭夫『論文の書き方』も再読してみたい。ブルーバックスシリーズもお薦めの中に入っていたので、今度、チャレンジしてみよう。

 

第2章 いかに学ぶべきか

ギリシャ語・ラテン語を学べるのは、今や東京のアテネ・フランセしかないらしい。いつかそこまで勉強できる日が来るといいが。まあ、私のレベルはそこまでは行かないんだろうな。

ラッセルのパラドックス」。「『クレタ人はみんな嘘つきだ』とクレタ人が言った」というのは、真偽が決定できない自己言及命題。

ノーベル経済学賞の正式名称は「アルフレッド・ノーベル経済学記念スウェーデン国立銀行賞」もしくは「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」。ノーベル一家の一族はこの賞をずっと批判していて廃止と改名を繰り返し訴えている。賞金を出しているのもスウェーデン国立銀行。へえー。

紹介されていた『KGBスパイ式記憶術』はすぐに購入してしまった。

映画『ネレトバの戦い』『化身』『僕たちは希望という名の汽車に乗った』は観るぞ。

 

第3章 いかに学び続けるか

佐藤さんの、中学から3時間睡眠、池上さんの5時間睡眠。ショートスリーパーのマネは私には出来ません。

 

第4章 今の時代をいかに学ぶか

スペンサーの「社会進化論」が形を変えてまた力をもちつつある、という指摘は面白い。INF全廃条約が2020年2月に失効したこと、メディアの扱いが小さかったことにショックを受けた佐藤さんには共感できる。この日、このことを私も大きな衝撃を受けて話をした。

コラムに『聖書』の翻訳には世界の状況が反映される、は内容的に面白い。従来「支配」と訳していたのを「管理」に改めたそうだ。ついでに石原慎太郎の「天罰」は「天譴」と理解すれば受け止める必要があるとも。

 

第5章 いかに対話するか

話したふりをする、結論を決めておいて押し付ける、弁証法的にお互いを高める。この3つの対話術を適宜使い分けることが重要。と。

トルストイ社会主義礼讃者たちが好き、ドストエフスキーは反体制。二人を同じ箱に入れるのは逆鱗に触れる可能性があるから触れない方がいい。チェーホフが好きと答えるのが無難だとも。

 

あとがきで、スマホが我々の主体性を脅かし、コントロールを失いかけれている不安に対抗するには、「立ち止まることができる真の教養の力」を磨くこと、これを知的再武装と呼んでいる。これは共感できる。