三銃士(上) アレクサンドル・デュマ 訳/生島遼一

2002年12月18日 第1刷発行 2014年4月15日 第7刷発行

 

いやー、面白い。デュマの小説は本当に面白い。訳者もきっと上手に訳されているんだろうと思うが、グイグイ読者を引き込む。話のテンポは速いし、次から次へと予想外の展開に読者はジェットコースターに乗った気分になれる。推理小説で言うと、ジェフリー・ディーヴァーを思い出せる面白さだと思います。

 

上巻は、例の首飾りを取り返すまでのお話。って言っても、なんのこと?ってなりますよね。

フランス生まれの若者ダルタニャンが、トレヴィル殿の銃士隊に入ろうと旅に出て、アトス、ポルトス、アラミスと次々に決闘をする羽目に。ところが急展開で仲良しに。ダルタニャンは大家ボナシュの妻である若く美しいボナシュ夫人に恋をしてしまい、宮廷に出入りしている夫人から相談を持ち掛けられる。王妃がイギリスの貴族バッキンガム公爵と密会して、思い出の品として首飾りを渡す。ところが、それを知ったリシュリュ枢機卿は王に舞踏会を開かせ、首飾りを王妃がしてなければ浮気していると告げ、王妃は首飾りを戻さないといけない。そのことを夫人から聞いたダルタニャンが王妃と夫人を助けるために三銃士と一緒にバッキンガム公爵に会いに行く。三銃士はダルタニャンから詳しい話を聞かずとも力を合わせ、枢機卿の追手に妨害されながらもダルタニャンはバッキンガム公爵に会い、首飾りを預かる。12個のダイヤのうち2個は枢機卿の手配の者により盗まれていたが、それでも本物そっくりの物で12個揃えて、無事、首飾りを着けて王妃は舞踏会に参加する。面目丸つぶれの枢機卿によるダルタニャンへの復讐は果たしてどんなものか。枢機卿の腹心の手ごわいロシュフォールとの対決は如何に?というところで前半終了。

 

あらすじを書いているだけだと、何がこんなに面白いのか、さっぱり伝えることはできませんが、やはり人気漫画と同じで、登場人物一人ひとりのキャラが物凄く立っているということに気づかされます。そしてストーリー展開の巧みさ。読者がどういう風にストーリを展開すればハラハラするか良く分かった上で話をポンポン進めていく。デュマという作家の凄いところはそんなところにある気がします。恐らく今日のうちにも下巻を読んでしまうことでしょう。