15歳の寺子屋 ペンギンの教え 小菅正夫

2009年7月16日第1刷発行

 

旭山動物園で「行動展示」が行われている。オラウータン空中遊技場。アザラシが気持ちよさそうに泳ぐ「あざらし館」。ホッキョクグマがダイビングする「ほっきょくぐま館」。陳バンジーの森・・・これを読んでいるだけで旭山動物園に行きたくなりますよね。ひきつけられます。

 

セミイナバウアーを見たことがありますか?という項目は面白いです。

カバのサブコとゴンの物語も感動的。

 

キリンの角って合計5本ある(前から見える2本のほかに目と目の間に1本、後頭部に2本)。立ったままで寝る。舌は45センチもある。なんて全く知らなかったし。

 

控えの選手が頑張っているチームは絶対強くなる。(こういうフレーズが動物を例にとって語っているのですが、本当にそうだろうなと思います。)

 

著者が園長になった1995年には年間20万人台だったのに皆と協力して行政にも応援してもらって工夫を凝らした結果、わずか10年後の2006年には年間300万人を突破。

園長をやめる時の送別会で若い人たちがエネルギ―を漲らせて若い人達がチャレンジする目標を具体的に語る姿に涙する著者。

確かに感動的だし、そういう動物園のスタッフが大勢いたからこそ、大発展を遂げたのだと思う。学ぶべきところが沢山あります。

 

コウモリの名前の由来は蚊屠り(かほふり)だとか。カを食べるのがコウモリの特徴。

カやボウフラが嫌いな人にとってコウモリは味方のはず。コウモリも気持ち悪いと思われがちな生き物がだ、いろんや役割を果たしている。

 

以前、私も旭川に遊びに行ったことがあるが、その時は旭山動物園に足を運ばなかった。当時はまだ小菅さんが園長に就任する前だから寂れた状態だったと思うけど。今いったらものすごく盛況なんだろうなあ。生物の多様性を大事にする、そのためには人間の基準を押し付けないで、多様な生物があるがままの姿で共生するのが一番自然界にとって望ましいということを忘れないようにしなければいけませんね。自戒の意味を込めて。