世界遺産◎考古学ミステリー マチュ・ピチュのひみつ インカ帝国の失われた都市 スザンヌ・ガーブ著 リンダ・オルソン指導 編訳六耀社編集部 鳥山孟郎

2015年10月27日初版第1刷

 

1911年に米国歴史学者ハイラム・ビンガムにより発見された「マチュ・チピュ」(インカの言葉で「老いた山」「老いた峰」という意味)。標高2500メートルの高さに石造りの堅固な建造物が密集する。神殿や宮殿があり、5メートルの城壁が建造物と外部をへだてている。パチャクテク王が治めた1450年代に建てられたといわれるが、何のためにこんな不便なところに建てられたのかは不明。インカ帝国は文字を持たず記録がないからだ。ここで暮らしていた人は500人から750人くらいと推定されている。神殿の床に彫られた真っ直ぐな線は6月の至の日に太陽がのぼる正確な場所を指していたらしく、天体を重要視していたようだ。マチュ・チピュ遺跡の所有権はほとんどペルーに戻され、現在はイェール大学がペルー大学とともに共同で管理し展示協力を続けている。

インカ帝国は西海岸にそって約4000キロにも及ぶ。1532年、皇帝アタワルパを捕虜にしたスペイン人ピサロによりインカ帝国は滅ぼされた。日本でいうと織田信長誕生の2年前。騎馬兵と鉄砲に太刀打ちできなかったようだ。1983年ユネスコ世界遺産に指定し、現在遺跡に入ることができるのは1日2500人に限られている。

 

行ってみたいが、遠すぎてきっと行けない。でも大きなカラー写真で色んな場所が紹介されていたので、かなり雰囲気は良く分かります。行けない人にとっては、こういう本はとても有難いです。