迎賓館 赤坂離宮 田原桂一

2016年10月19日第1刷発行

 

プチ・ヴェルサイユと表現されている「迎賓館赤坂離宮」について、ネオ・バロックの西洋建築と評しつつ、庭園には松を多く配置し、わが国特有の文化を装飾に施すことによって固有の存在感を現してきたと述べ、それを視覚に訴えかける迫力満点の写真集。

沿革

かつて紀州徳川家の江戸中屋敷の敷地の一部に建設。設計担当、建設総指揮者は片山東熊。室内装飾の調査、装飾参考の製図には黒田清輝、洋館用油絵作成には浅井忠、孔雀花卉の図作成には今尾景年、装飾用七宝下絵作成には荒木寛畝・渡辺省亭、装飾用七宝政策には並河靖之・濤川惣助など、著名な専門家、第一人者がこぞって参加。壁は薄くても56㎝あり、関東大震災にも耐えた。2009年に重要文化財、国宝に指定。

 

確かシャンデリアの重さが物凄くて屋根裏に3本の円錐柱を取り付けてそれで支えているとか聞いたことがある。関東大震災の時にもこのシャンデリアは落ちることがなかったというから、当時の技術のレベルがいかに高かったかが分かるというもの。以前、庭園が解放されたときに庭園中に入ったことがあり、松だけ見ることが出来た。現在は再び館内見学を再開したようなので(予約が必要のようだが)、館内も是非見てみたい。写真も相当の迫力があるが、実物には更に凄い迫力があるんだろうなあと想像する。