孫育てが楽しくなる楽観主義のすすめ 鈎治雄

2022年4月30日初版第1刷発行

 

 表紙に「祖父母たちの生きる姿勢は、確かな教育力となって、次の世代を育んでいくー。子どもたちと向き合う心を、心理学の視座からわかりやすくアドバイス」とある。

 裏表紙には「主な内容」として「第1章 祖父母の大切な役割」「第2章 孫との上手なかかわり方」「第3章 子育ては家族をつなげる力」「第4章 未来を育む祖父母の生き方」とある。

 私にまだ孫はいないが、早ければ数年先にも誕生するのかもしれない。もうそんな歳になったんだな、人生っていうのは、時がたつというのは、本当に早いもんだ、と今更ながら、当たり前のことに気づく。孫が生まれたら、という心構えのつもりで読んだわけでもなく、たまたま手に取ってみたら、スーッと短い時間で読めた。ちょっとした気づきがあったので、それをメモしておこう。

 祖父母が「ワンダウン・ポジション」の姿勢を忘れずに孫と接していくことは、思春期に差し掛かった孫と接していくうえで大事なこと、と指摘している。ワンダウン・ポジションは心理学の言葉らしく、カウンセラーや治療者が相談に訪れたクライエントとコミュニケーションを取る際に自分の方が一段下の立場から相手と向き合うことを言うらしい。無意識に難しい相手と話をするときにこのことは心がけていたが、やはり心理学的な裏付けがあったということにちょっぴり自信を得た。

 真面目な性格に対し、真面目ではなく、真締めという字を当てることがあるという筆者。間の締め過ぎは休む時間まで削って頑張り過ぎるため、それがかえってストレスや疲労になって襲い掛かってくることもあるという。人には真締めを決して要求してはいけないし、それは気をつけなければならないと自戒する。