この人を見よ!24 歴史をつくった人びと伝 与謝野晶子 プロジェクト新・偉人伝

2009年12月10日第1刷

 

与謝野晶子物語 坂口結美

 情熱の歌人「まことの心」を歌った天才女流歌人

 

与謝野晶子の生きた時代

 Stage1(1878-1899)

  和菓子屋の娘に生まれて

  家業を手伝いながら、文学に目覚める

  与謝野寛の歌に刺激を受ける

  晶子をひきつけた与謝野寛とは

 Stage2(1900-1907) 恋の歌で衝撃のデビュー

  一度会った人に29通のラブレター

  はげしい恋の歌で衝撃のデビュー

  戦時中に反戦の歌?

  恋愛歌集の発行に大学がクレーム

 Stage3(1908-1915) 西洋女性の生き方に共感

  一時代を築いた「明星」が終刊

  落ち込む夫を留学で元気づける

  活動的な西洋の女性に衝撃を受ける

  夫婦そろって選挙活動

 Stage4(1916-1928) 世の女性にもの申す

  母性保護をめぐり大論争

  女子教育の理想を求めて

  関東大震災がもたらした大打撃

  みずから設計した終の住処

 Stage5(1929-1942) 夫を見送り、永遠の愛を知る

  生誕50年のお祝いはささやかに

  寛の棺をの前に込めた願い

  晶子版『源氏物語』が完成

  最期まで自由と自立をつらぬく

 

人物ズームイン

 与謝野寛 北原白秋 高浜虚子 高村光太郎 森鴎外 山川登美子 平塚らいてう 

 大町桂月 西村伊作 有島武郎 石川啄木 岡本かの子 オーギュスト・ロダン

人生のターイングポイント

 Point1 本に夢中の少女時代

 Point2 初恋が歌の世界をひらく

 「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」

 Point3 ついに運命の人と出会う

 Point4 西欧の新しい風にふれる

 Point5 歌を残して火の鳥が旅立つ

 

発言・証言 与謝野晶子

 歌はもっと自由でなければならない。

 本当の友だちと呼べる人はいません。

 誰かよりも偉くなろうと思ったことはありません。

 まことの心を歌うことが歌の生命。

 東洋の女は静止的である。

 お金はなくても空想するのは自由です。

 人の一生はそんなに生やさしいものではありません。

 落ち葉はほんとうに汚いものですか?

 歌の専門家にはならずアマチュアでいなさい。

 歌が私の日記だから。

 貨幣や職業の奴隷にならずに。

 女には坐禅は必要ない。

 ごめんなさい、教育しか残せずに。

 歌をつくるために生まれてきた人(斉藤茂吉

 紫式部も、一目置いたに違いない(森茉莉

 

今に生きる与謝野晶子

 ひと~平成の源氏ブーム

 こころ~晶子の詩に旋律を

  「青鞜」(せいとう)とは、18世紀半ば、イギリスのサロンで男性と対等に議論をたたかわせた女性が青い靴下をはいていたことから、「学識があり、自分の意見を持った女性」を指す言葉として使われる。

 もの~故郷に建つ文芸館

  堺市の「与謝野晶子文芸館」には『みだれ髪』の初版本も展示されている。

  『みだれ髪』の表紙には画家藤島武二が日本版ミュシャともいえるデザインを施す。

  義娘の道子に「言葉が豊富になること。そのためには本を読むように心がける。たとえば、“美しい”という形容詞と同じ言葉を少なくとも5種類は知っていないといい歌はつくれません。5種類知っていれば、その中で最適だと思う言葉を選んで、あなたの感じたことを歌にできます」と述べた。

  吉岡しげ美は「君死にたまふこと勿れ」『万葉集』『枕草子』『百人一首』などに曲をつけた歌手。映画は「華の乱」(松田優作有島武郎を、吉永小百合が晶子を、緒形拳が寛を演じた)。

 

 与謝野晶子を知るには良い教材です。