2016年2月6日初版第1刷発行
帯封「宗教改革と対抗宗教改革、市民社会の隆盛などが絵画に大きな変化をもたらし、新しいジャンルが生まれ、絵画のもつ意味や役割が広がった16世紀~18世紀。カラヴァッジョ、レンブラント、フェルメール、ベラスケス、ヴァトー、フラゴナールらの巨匠が活躍した革新の時代の複雑な様相を、数多くの美麗な図版とともに丁寧にわかりやすく概観。」
はじめにー「飛翔するかたち」の世界 高階秀嗣
第1章 宗教改革と美術
サン・ピエロト大聖堂の新築とその波紋
第2章 対抗宗教改革と美術
「バロック」という言葉について(壮大華麗な天井画が大流行)
第3章 宮廷の美術
宮廷画家のさまざまな任務(ル・ブラン、ルーベンス、ヴァン・ダイク、ベラスケスらが紹介されている)
第4章 教養人のための絵画
≪分かれ道のヘラクレス≫は教養の持ち主が見ればそれとわかるという。
第5章 市民社会の絵画
オランダ絵画の例外性(レンブラントを中心に取り上げている)
第6章 静物画
静物画はむなしいか(パスカルの「もとのものには誰も感心しないのに、絵になると、なかなか似ていると言って皆が感心する。絵画とは何と虚しいものだろう」の言葉を紹介しながら、寓意的テーマを代表するヴァニタス(無常)の例としてステーンウェイク≪無常のアレゴリー≫を取り上げている。
第7章 私邸のための絵画
ブーシェ、フラゴナール、シャルダン、フェルメール、グルーズが取り上げられている。
第8章 イタリアと他の西欧諸国
第9章 伝統と革新
イギリス美術の台頭、イギリス画派の誕生(ウェスト、ヴァン・ダイク、ダヴィッド、ライト、レイノルズ、ゲインズバラを取り上げる)のほか、スペインのゴヤやスイス出身のフューリス、ブレイクらを取り上げる。