日本とロシアの近現代史 ウクライナ侵略は決して他人事ではなかったー“無法な大国”と、日本はいかに対峙してきたのか? 歴史街道編集部編

2022年8月24日第1版第1刷

 

表紙「戦争と協調を経てー波乱の150年 奇跡を呼び込んだ合理性と果断 日本を分断から救った男たちの誇り」

裏表紙「日本海海戦―『T字戦法』封印!誤算続きの中、なぜ完勝できたのか ノモンハン事件―日本軍の敢闘とソ連の謀略 第二次世界大戦ソ連軍侵攻の中での『奇跡の脱出劇』」

 

表紙裏「幕末に和親条約が結ばれて以降、日本とロシア(ソ連)の間では、衝突が繰り返されてきた。日露戦争、シベリア出兵、ノモンハン事件、そして第二次世界大戦における満州樺太、千島での戦い・・・これらの衝突は、なぜ起こったのか。両国にはどんな思惑があり、いかなる戦いが行われ、何が明暗を分けたのか。ターニングポイントにおいて、この国を守るため、日本人としての矜持を示した有名無名の人びとに光を当てつつ、日本とロシアの近現代史を解説。将来の両国関係の在り方を考えるとともに、日本にとって身近な大国である『ロシアの本質』に迫る。」

 

第1部 日露関係史と「ロシアの特質」

 通史 戦争と協調を経て・・・波乱の150年をたどる 河合敦

 日本人が知っておくべき「ロシアの特質」 池田嘉郎

  ヨーロッパとの差別化

第2部 幕末から日露戦争

 戦略を左右した「大国ロシア」の幻影 麻田雅文

 総論 国家の存立を賭け、「無法な大国」に挑んだ明治の日本人 中西輝政

 黄海海戦 T字戦法失敗!苦い勝利をむしろ天祐にー秋山真之 戸高一成

 旅順の合理的戦法と奉天の果断が、第三軍の奇跡を読んだ 中山隆志

  『坂の上の雲』などの影響で、戦後、「愚将」のイメージで語られることの多い乃木希典。」しかし、彼は日露戦争勝利を語る上で、絶対に欠かすことのできない人物の一人である。『坂の上の雲』の一方的な見方と事実誤認を排すれば、乃木の合理的戦法と果断は「一目瞭然」なのだ。こういう見方があることは初めて知った。大変勉強になる。

 状況戦術の真骨頂!苛酷な任務に応えるための乃木の「独断」とは 中山隆志

 日本海海戦 「T字戦法」封印! 誤算続きの中、なぜ完勝できたのか 戸高一成

 徹底分析・日露戦争 増強されていくロシアに日本が負けなかった理由 原剛

 インテリジェンス・オフィサー「バロン・アカシ」の本心からの親切と誠 岡部伸

第3部 日露戦争から第二次大戦へ

 秘話 国を超えて奏でられた音楽・・・ハルビン交響楽団の軌跡 喜多由浩

 ノモンハン事件 日本軍の敢闘とソ連の謀略・・・それは歴史の一大分岐点だった 中西輝政 ノモンハン事件は日本の「愚劣さの象徴」とされてきたが、ソ連崩壊とともにそれが事実ではなかったことが判明。日本を南進へと追いやるスターリンの大偽装作戦だった。

 満州樺太、千島・・・ソ連軍の不法侵攻と、迎え撃つ日本軍の作戦 中山隆志

 下道部隊 慰留民を救え!ソ連軍侵攻の中での「奇跡の脱出劇」 喜多由浩

 敵の無法に敢然と起つ!日本を分断から救った男たちの誇り 早坂隆

  昭和20年8月17日深夜、ソ連軍の占守島への奇襲攻撃に対し、樋口季一郎中将らが断固反撃を敢行。

 樺太秘話「私は残ります」最後まで職務を全うし、命を散らせた乙女たち 早坂隆

 樺太秘話 ソ連潜水艦が襲った、女性、子供、老人満載の疎開船三隻の悲劇 相原秀起

 

知らない事が多過ぎることに猛省する。

北のひめゆりとも呼ばれる集団自決事件が8月15日以降に樺太で複数発生していたとは!

乃木将軍への評価も、まるでこれまでと正反対の評価があることを知って愕然とする。何が真実かは本当に分からないものだ。両面から物事を見ることの大切さを改めて痛感する。