スマイルズの「自助論」 サミュエル・スマイルズ 夏川賀央訳

2016年12月31日第1刷発行

 

帯封「原典を大切にし、読みやすさを追求しました。あなたの人生は、あなたが決める! 天は自ら助くる者を助く―人は自ら努力することで幸せになれる」「歴史を変えた『当たり前のこと』・私たちは『私たちの力』でしか、幸福になれない ・なぜ私たちは働かなければならないのか? ・意志の力があれば、失ったものは取り返せる ・努力家のみがつくりあげる『情報の倉庫』 ・今日の仕事を明日に残すな」

 

江戸から明治になったばかりだというのに2冊のミリオンセラーが誕生。1冊は『学問のすすめ』。もう1冊が中村正直が翻訳した『西国立志編』。後者こそが1859年にサミュエル・スマイルズが著わした『自助論』である。

 

第1章 「自助」とは何か? ―1人ひとりの力で、世の中は変わる

    「国家の価値とは、結局のところ、そこに属するすべての人々の価値に等しいものなのだ」ジョン・スチュアート・ミル(19世紀イギリスの哲学者)

   ・土地は家から相続できるかもしれないが、知識や知恵を相続することはできない。

   ・詩人ワーズワース「人が協力し合うことと、独力で成し遂げること。他人を信じることと、自分を信じること。これら2つは相対するもののように見えるが、本当は合致させていくべきものなのである」

第2章 産業界のリーダーたちの栄光 偉大な発明はいかにして生まれたか

   ・機械で染色の工程を完成させたピールは貧しい農家生まれ

   ・ボビンネット機(糸巻機)を発明したヒースコートも農家生まれ

   ・織物機を改良したジャカールはナポレオンを感心させた

第3章 「最高の陶器」に生涯をかけた人たち パリッシ―とウェッジウッド、怒涛の生涯を歩んだ、偉大な製作者

第4章 努力と忍耐によって偉業を達成した人たち あきらめなければ誰でも成功者になれる

   ・バイオリニストのジャルティーニ“1日12時間、20年間続ければ上手くなれる”

第5章 真実を見抜いてチャンスをつかんだ人たち 偉大な科学者や医師たちは、どうやってその名声を得たのか?

第6章 才能を努力によって磨く芸術家たち 画家たち、音楽家たち、生まれもっての天才なんて存在しない

   ・ボイラー製造工の手伝いをしていたジェイムズ・シャープルズは朝6時から夜8時まで働き、夜になると父が勉強を教え、文字が書けるようになった。学校に通うと朝4時に起きてバーネットの『絵画の実践書』を読んだり書き写したりして学び版画を完成させた。

第7章 彼らはいかにして、その地位を手に入れたのか? 一般人から貴族の称号を得た人々

第8章 「やる気」と「勇気」を奮い立たせる方法 どんな問題も突破できる「意志の力」

第9章 仕事を成功に導くためにやるべきこと ビジネスに必要な6つの要素と、大切な考え方 注意力、勤勉さ、性格さ、手際のよさ、時間厳守、スピード

    ネルソン「私が成功できた理由は、いつも15分早く行動したことだった」

    これに加えて「素早い状況判断」「計画を最後まで遂行する粘り強さ」があればより高いレベルの仕事ができるようになる。

    絶対に忘れてはならない、たった一つのこと 「誠実さ」

    ワーズワース「幸せな兵士」

    彼は自分を信頼し、他人にも信頼を置く。

    たった一つの目標を追い、信念がぶれることはない。

    富に、名誉に、世俗の地位。

    彼はそんなものを待ちながら、しゃがみこんだり、寝転んだりしない。

    やがて大切なものは彼のもとを訪れる。

    まるで恵みの雨が、頭上に降り注ぐように、それは必ずやってくるのだ

第10章 金に振り回されるな、金を支配せよ 正しいお金の使い方を知っていた人たち

第11章 自分を鍛え続ける人たち 試練の生かし方

    ・読書をしても何も行動を変えなければただ時間を潰しているだけになる。

    ・メンデルスゾーン「さあ、遠慮なく私をこきおろしてくれ!よかったところなんて言うなよ。気に入らないところを、どんどん言ってくれ」

    ・神学者トマス・スコットがヘブライ語の勉強を始めたのは56歳のとき。

    ・ニュートンは学校時代の成績が下から2番目。

    ・『ガリバー旅行記』スウィフトはダブリン大学を落第。

    ・頭の回転の速さはときには障害とすらなることがある。早く覚える人間は忘れるのも早く、努力して覚える必要を感じない。逆に覚えが悪ければ嫌でも努力しなければならない。それこそが価値ある人格をつくる。

    ・今の自分は自分自身がつくり上げてきたものだ(ハンフリー・デイヴァ―博士)

第12章 最高の「模範」を見つけるには あなたの背中は、必ず誰かに見られている

    ・いい仲間がいるか、さもなくば、仲間がいないかのどちらかを選ぶかだ(経済学者エッジワ-ス)

第13章 品格ある人間になるために私たちがやるべきこと ただの成功者ではなく、いつまでも語り継がれる存在になる

    ・才能は孤独のうちに育ち、人格は社会の荒波の中で最適に形成される(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ ドイツの詩人)

    ・優れた人格には、誠実さ、高潔さ、善意の3つが必要。

    ・ジェントルマンにとって大切なのは、他人にどう見られるかではなく、自分には自分がどう見えるか。常に“内なる観察者”が自分の行為の是非を判定する。

    ・日常生活の小さなことでも、自らを犠牲にしてほかの人を優先できる(ピット元首相)