2020年6月15日発行
裏表紙
「イントロダクション 古代から研究されてきた『無』
第1章 数字の『無』の誕生 数字としてのゼロが、インドで生まれた
第2章 自然界に登場する『無』の数 温度には絶対0度という下限がある!
第3章 空間の『無』の発見 17世紀のトリチェリが、真空をつくりだした
第4章 『無』の空間には何かが満ちている 真空では、素粒子が生まれては消える
第5章 時空の『無』が宇宙を生んだ 宇宙は、究極の無から生まれた」
第1章
ローマ数字は3999(MMMCMXCⅨ)までしか表せない。
第2章
温度には絶対0度という下限がある。電気抵抗ゼロとは電圧をかけなくても電流が永久に流れ続けるという状態(超電導(超伝導)現象と呼ばれる)。
液体ヘリウムを絶対温度2.2度以下まで冷やすと粘性がなくなり抵抗がゼロとなる(超流動現象)。
質量ゼロの光の粒子は重力の影響を受ける。
ブラックホールの近くでは速度がゼロに見える。
ホワイトホールは存在する!?
第3章
原子論の提唱者デモクリトスとその師匠レウキッポスは真空の存在を認め、原子が動きまわるための舞台となる「空虚(真空)」が必要だと考えた。アリステレスは「虚無」などないと考えた。
分子と分子の間の空間は真空。原子の大部分はある意味で真空だといえ、人間の体も実はほぼ真空だといえる。
絶対真空は仮想的状態で、まだ実現できていない(真空には「低真空」「中真空」「高真空」「超高真空」「極高真空」の5段階ある)。
第4章
真空は完全な無ではない。ヒッグス場やダークエネルギーなど様々なものが満ちている。
宇宙空間は光が満ちている。見えるのはたまたま目に飛び込んできた光だけ。
水素原子の中には原子核として陽子1個ある。その中に2個のアップクォークと1個のダウンクォークがある。陽子の内部は、アップクォークと反アップクォークが対消滅してグルーオンが生じ、グル-オンが変身することによって対生成したアップクォークと反アップクォークが生まれ、たくさんの仮想粒子があらわれては消えていると考えられる。
第5章
宇宙誕生直後には虚無時間が流れていたかもしれないとする無境界仮説はホーキングとハートルが提唱。これにより特異点は回避できる。
サイクリック宇宙論は誕生と終焉を繰り返しているという仮説。エキピロティック宇宙論はブレーンワールド仮説を元にしている。
第5章は、新知識を獲得できた。これを出発点に最新の宇宙論がどういうものか興味がわいた。