夜を乗り越える 又吉直樹

「火花」で第153回芥川賞を受賞した筆者の初の新書。たくさんの小説を読んで、また再読して、おもしろいと思うところ、ひっかかるところが年々変わっていくことを赤裸々に語っている。言葉を大切にし、言葉をひねり出す、紡ぎ出す、お笑い芸人として、小説家として、実は大変な努力を真剣に続けてきたという姿勢がひしひしと伝わってくる。分かりやすい文体も好感が持てる。太宰、龍之介といった古典もいいなあ、再読してみよう、中村文則さんの本も読んでみようかなという気にさせてくれます。