2017-01-01から1年間の記事一覧

知立国家 イスラエル 米山伸郎

「イスラエルを見習え」在日米国商工会議所の提言 NASDAQ市場では外国新興企業による新規上場件数で最大となっており、国民1人当たりのベンチャー・キャピタル投資額でも世界最大となっている。この国はイスラエルである。・・イスラエルの目覚ましい変革の…

メディア・コントロール 正義なき民主主義と国際社会 ノーム・チョムスキー 訳鈴木主税

どのように読後感を書けばよいか、悩まずにはいられない。衝撃的な分析だと思う。この衝撃度を文章にする難しさを感じる。 冒頭に「メディアの役割」とあり、民主主義社会の概念に2つあることを指摘している。 第1は、「一般の人びとが自分たちの問題を自…

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 河合雅司

2020年 女性の半数が50歳超え 2024年 全国民の3人に1人が65歳以上 2027年 輸血用血液が不足 2033年 3戸に1戸が空き家に 2039年 火葬場が不足 2040年 自治体の半数が消滅 2042年 高齢者人口がピークを迎える といった未来の年表とともに処方箋を提示している。…

核大国ニッポン 堤未果

「核なき世界」というキーワードに、劣化ウラン弾は含まれていない。通常兵器と扱われている。しかし現地の人々もアメリカの帰還兵も皆被ばくしている。深刻な事態だ。 湾岸戦争では320トン、イラクでは2200トンの劣化ウラン弾が使用されている。 アメリカが…

GRIT やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める 「究極の能力」を身につける アンジェラ・ダックワース 訳:神崎朋子

話題沸騰 20万部突破! いま、世界一話題の空前のベストセラー、日本上陸! PART1 「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか? 第1章 「やり抜く力」の秘密 なぜ、彼らはそこまでがんばれるのか? 第2章 「才能」では成功できない 「成功する者」…

人生を面白くする本物の教養 出口治明

丹羽さんと出口さんの本に関する書物は何冊か見比べていますが、お二人とも本当に本好きです。 チャーチル 「選挙とは、ろくでもない人のなかから、現時点で税金を上手に分配できそうな少しでもまともな人を選び続ける忍耐そのものをいうのである」 「だから…

すごい「会話力」 齋藤孝

表表紙 会話力とは人間の「総合力」である! 実は上達が早い会話力の3つのポイント 1 瞬時に相手との距離感を測る 2 社会的「後輩力」を生かす 3 「カラリとした精神」を目指す ニーチェ「嫉妬の炎につつまれた者は、最後には、さそりと同様に、自分自身…

人間ーこの未知なるもの アレキシス・カレル 渡部昇一訳

ノーベル生理学・医学賞受賞の著者が人間の可能性と未来を鋭く考察。全世界で1千万部突破の、人生哲学最高の書、とする帯封につられて購入。 訳者は、現在の自分や、現在の日本を考える場合、多くの重要な視点を与えてくれる本である。人間とはいかなるもの…

ビッグデータの支配とプライバシー危機 宮下紘

ブランダイスは、プライバシー権が「品格」の維持にとって必要であることを主張(17p)。 マイナーポータルで税や年金確認が2017年から可能に(181P)。 ネットワーク化された自我を造形する権利として新たな側面を持ちつつある(200p)。

戦争にチャンスを与えよ エドワード・ルトワック 奥山真司訳

国連やNGOや他国による中途半端な「人道介入」が、戦争を終わらせるのではなく、戦争を長引かせる。無理に停戦させても、紛争の原因たる「火種」を凍結するだけだ。本当の平和は、徹底的に戦った後でなければ訪れない(表表紙の裏)。 セルビアとスロベニア…

蛍川 宮本輝

芥川賞。ませた男の子が主人公。富山の描写が細かい。「雪」「桜」「螢」の3章に分かれているが、一貫してどんよりとした暗さがある。

林修の仕事原論 壁を破る37の方法

PART1 仕事といかに向き合うか PRAT2 必ず結果を出す人の「対人力」 PRAT3 すべてを勝ち負けで考える PRAT4 自己演出と自己管理の方法 平易な言葉で分かりやすく書いてあるところには共感が持てます。 ただもう少しピリッといかしたキャッチフレーズが随…

AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である 成毛眞 堀江貴文vs鈴木寛(文科省大臣補佐官)

サイエンス(科学)の「S」 テクノロジー(技術)の「T」 エンジニアリグ(工学)の「E」 マセマティックス(数学)の「M」 それにアート(芸術)の「A」を付け加えて、STEAM オバマ時代、大統領科学技術諮問委員会が、今から5年程前に「STEMの分野で学位を…

泥の河 宮本輝

太宰治賞(1977年発表)。作者30歳。最初はずぶの素人として登場。とても暗い作品でした。戦後から10年程した時代の、社会の底辺を生きる母子家庭の子どもたちが余りに理不尽な人生を歩くことを余儀なくされている描写がとても生々しい。せっかく友達になっ…

死ぬほど読書 丹羽宇一郎

法隆寺金堂や薬師寺混同を再建した宮大工の西岡常一氏の「木のいのち木のこころ」に「堂塔の木組みは寸法で組まず、癖で組め」とあるそうだ(144p)。 「認めて」「任せて」「ほめる」という部下を育てる3の基本原則(146p)。 心にシワが多い人は…

人は見た目が9割 竹内一郎

心理学者アルバート・マレービアン博士は人が他人から受け取る情報の割合について次のような研究成果を発表している ○見た目・身だしなみ、仕草・表情 55% ○声の質(高低)、大きさ、テンポ 38% ○話す言葉の内容 7% 文化人類学者エドワード・ホールは…

スノーデン 日本への警告 エドワード・スノーデン

国連も大量監視の問題は国際人権条約に違反しプライバシーを侵害すると初めて明言し、プライバシーの権利に関する特別報告者を任命しました(70P)。 民主的なコントロールを実現するためには、内部告発者を適切に保護する法制度を整備しなくてはなりませ…

日本人のための平和論 ヨハン・ガルトゥング 御立英史訳

第1部 日本の安全保障 1 集団的自衛権 あと戻りできる選択か? 「米穀が他国に行う軍事介入の目的は、テロとの戦いのためでも、人権や民 主主義の擁護のためでもなく、覇権主義の行使であり、経済的利益の確保なのである」 2 沖縄問題 いまだ占領下にある…

共産主義の誤謬 保守政党人からの警鐘 福冨健一

同盟は「生産性向上は、雇用を拡大する。生産性向上のため労使協力する」としているのに対し、総評は「生産性向上は、労働者に搾取と労働強化をもたらす」としている。 1989年、総評と同盟が一緒になり連合が設立され、統一労組懇や連合に加盟しない組合…

キャスターという仕事 国谷裕子

「キャスターの役割=自分の言葉で語る」(70p) 「法廷証拠の目的外使用の禁止という法律上の規定は、公益性の高い報道目的の使用にも果たして当てはまるのかと、視聴者に問いかけるべきであったと思う」(108P) 「見えないことを語る」(120p)…

読書力 齋藤孝

「本は並べ方が大事」の中で、「系譜の意識」をはっきりさせる、本と本との結びつきを考えながら配列する面白さを指摘している点は、なるほど、と唸りました。これまで何となく似た者同士を並べてきまましたが、系譜を意識するということで、読書力があがる…

変身 カフカ 高橋義孝訳

ある日、主人公が起きたら虫に変身していた。けれど、家族の声は聞こえている。父、母、妹と、主人公との距離は、その声と主人公の受け止め方で分かる。でも、なんで虫に変身したのかはさっぱり分からない。小説というものはそういうものなのか。 主人公は最…

人生と陽明学 安岡正篤

1つには、出来るだけ長い目で見て、目先にとらわれないということ。 2つには、出来るだけ多面的に、或いは全面的に見て、一面に拘らないということ。 3つには、出来るだけ根本的に考察して、枝葉末節に走らないということ。 思考上の3つの大きな原則であ…

安岡正篤と終戦の詔勅 戦後日本人が持つべき矜持とは 関西師友協会編

「萬世の為に太平を開く」は、安岡正篤が修文していれたことを初めて知りました。 出典は宋代の哲人・張横渠(張載)の4つの格言の最後のものとのこと。 「義命の存する所」と修文するべきところ「時運の趨く所」となってしまったのは千古の惜しむべき失敗と…

風の中のマリア 百田尚樹

命はわずか30日。オススズメバチ「マリア」が、偉大なる母のため、戦い続ける、昆虫学を分かりやすく、教えてくれる小説。永遠のゼロと同一作者というのが面白いですね。

永遠の0(ゼロ) 百田尚樹

本屋大賞受賞。200万部突破。著者デビュー作。 祖父の戦友の証言を聞く孫が、祖父が「臆病者」(愛する者のために何が何でも生きて帰ろうとする希望なきチャレンジの連続の中で受けた評価)と言われながら、なぜ特攻で死ぬ道を選んだのかを知り、ニートとし…

華岡青洲の妻 有吉佐和子

世界初の全身麻酔による外科手術を成し遂げた華岡青洲の妻・加恵(後に盲目)と母・於継との確執を大きな柱としつつ、嫁姑という厄介な問題を小説仕立てでグイグイと読ませる作者の力量はすごい。昭和41年に女流文学賞を受賞したとのことだが、久しぶりに味…

青年の大成 青年は是の如く 安岡正篤

世間の俗談に、臍から上を人格、臍から下を品行と称す、などというが、本当は人格が良くなれば、品行も良くならねばらない。 胎児の研究のことをneotenyネオテニーといいます。 幕末の三舟(勝海舟・山岡鉄舟・高橋泥舟)。 ナポレオンも、ペスタロッチも、…

100分de名著 獄中からの手紙 ガンディー 中島岳志

「よいものはカタツムリのように進むのです」という言葉は有名だが、自らも弁護士をしていたガンディーが「鉄道」「弁護士」「医者」の3つはいらないと言っていたというのは知らなかった(「禁断のスピードへの懐疑」)。「鉄道」は邪悪が広がるから、「医…

タテ社会の人間関係 単一社会の理論 中根千枝

現代新書NO.1 117万部 「ウチの者」と「ヨソ者」、派閥メカニズム、日本型リーダーの条件・・・ ビジネスパーソン必読 これを読まずに組織は語れない 刊行から50年、日本論の新しい古典 という帯封につられて購入したが、それほど目新しい本ではない。 日…