戦争にチャンスを与えよ エドワード・ルトワック 奥山真司訳

国連やNGOや他国による中途半端な「人道介入」が、戦争を終わらせるのではなく、戦争を長引かせる。無理に停戦させても、紛争の原因たる「火種」を凍結するだけだ。本当の平和は、徹底的に戦った後でなければ訪れない(表表紙の裏)。

セルビアスロベニア間の戦闘では、介入がなかったので、互いの立場を認めあい、スロベニアは戦争終了後、全く戦闘しなかった。これに対し、セルビアクロアチアと戦った際はドイツが介入し、クロアチアの独立を承認してしまったので、合意できず、戦闘が長引いてしまっている。
戦争は人々にその過程で疲弊をもたらすために行われる。戦争が終わるのは、資源や資産がつき、人びとが枯渇し、国庫が空になった時だ。(冒頭の要約)

戦術のレベルで大勝利を収めても、戦略のレベルで負けてしまえば、ゼロになる。
同盟と調略こそ「戦略」的発想であり、勝利をもたらす秘訣だという。

戦略的発想を磨かなければらならない。