2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夏草の賦《四》 司馬遼太郎

2017年6月10日発行 元親は秀吉から茶に招かれた。早速赴くと、かつての仇敵の十河存保も同席しており、薩摩征伐の先鋒を命じられた。軍監は元親が敗れた秀吉の部将仙石権兵衛だった。秀吉の大軍が到着するまで先陣は動くなと命じられていたが、仙石秀久は功…

夏草の賦《三》 司馬遼太郎

2017年6月10日発行 元親の返事を聞いた信長は、早速、元親に阿波を追い出された三好笑厳を四国討伐の先鋒役に命じた。総大将には光秀が選ばれず、司令官に丹羽長秀が選ばれた衝撃は大きかった。光秀は病んでいった。他方、元親は紀州和歌山の雑賀孫市を金で…

天下布武 夢どの与一郎《四》 安部龍太郎

2013年12月10日発行 ヴァリニャーノの申出への返答期限が迫り、信長は貿易独占は認めるが、軍事同盟は拒否すると回答し、これでヴァリニャーノが応じなければイギリスやオランダと手を結ぶしかないとも伝えた。結果、信長はイエズス会との関係を悪化させ、キ…

天下布武 夢どの与一郎《三》 安部龍太郎

2013年12月10日発行 荒木は有岡城を捨てて自分だけ逃げ出した。新八郎は信長に与一郎を通じて父の説得もしくは父の首と引き換えに、荒木に嫁いだ範子を始めとする助命を願い出た。与一郎(長岡忠興)がそのことを信長に報告すると、信長は火薬入手を邪魔した…

夏草の賦《二》 司馬遼太郎

2017年6月10日発行 一条家の当主兼定は美しい菜々に伽を求め、これを断って逃げた菜々を匿った土居宗珊は兼定に刺し殺された。これを理由に元親は一条家の老臣をして兼定を追放させ、しかも老臣たちにあらぬ噂を流して自害ないし病死させた。土佐の平定を果…

夏草の賦《一》 司馬遼太郎

2017年6月10日発行 美濃の字侍の出で織田家の侍の斎藤内蔵助利光の妹菜々は織田家中でも一番の美貌といわれた。斎藤利光の隣人明智光秀から、この頃はまだ数郡を切り取った小領主にすぎなかったがゆくゆくは四国を併呑し天下を望もうとしていた土佐の長曾我…

オペラ座の怪人 ガストン・ルルー/村松定史 訳

1996年7月17日第1刷発行 2011年6月6日第9刷発行 裏表紙「オペラ座での公演中、美しい歌い手クリスチーヌが、怪人にさらわれました。クリスチーヌの恋人ラウルは、クリスチーヌを助けだそうとするうちに、さまざまな謎がとけていきます。なんと、怪人は音楽の…

アームストロング砲《下》 司馬遼太郎

2022年5月20日発行 斬ってはみたが 肥後高瀬の郷士で、江戸の剣客仲間で名の知られた鏡心明智流の上田馬之助は、桃井道場の師範代をつとめているが、どこか一本足りず、試合になると必ず負けた。ある時、紅屋の松吉を連れて小料理屋「松田」に入って2階に上…

アームストロング砲《上》 司馬遼太郎

2022年5月20日発行 薩摩浄福寺党 浄福寺に集まった乱暴者の中でも無類の乱暴者の肝付又助は薩摩人だったが、長州憎しのあまり敵のはずの会津と薩摩が手を握ったことが気に入らず、新撰組や会津藩士を捕まえては事件を起こしていた。ところが薩摩が長州と密か…

幸せをつくる心理学 川田洋一

2012年8月24日初版第1刷発行 表紙「現代心理学の成果と仏教の説く菩薩道にもとづき幸せをつくる実践的方法を探る。」 目次 第1章 日本人の幸福感が大きく変わった 第2章 お金で幸せは買えない 第3章 マズロー心理学から考える幸福 第4章 「人類共生の欲…

「失敗」の日本史 本田和人

2021年3月10日初版 2021年5月20日3刷 裏表紙裏「あの東京大学史料編纂所・本郷和人先生が、歴史を変えた「失敗」をピックアップ! 元寇の原因は完全に鎌倉幕府側にあった? 生涯のライバル謙信、信玄共に跡取り問題でしくじったのはなぜ? 光秀重用は信長の…

天下布武 夢どの与一郎《二》 安部龍太郎

2013年12月10日発行 石上本願寺を信長5万の兵で取り囲んだが、なかなか落ちない。火薬が尽きてよいはずなのに尽きないのはなぜか。与一郎に仕えた忍びの首無しが摂津守荒木村重が寝返っていることを突き止め、信長に奏上した。与一郎は荒木の子で槍の名手新…

天下布武 夢どの与一郎《一》 安部龍太郎

2013年12月10日発行 信長は、光秀の三女玉子が才色兼備の娘であったことから、養女とし、小姓与一郎が玉子を娶るように一計を案じた。武芸の勝負で勝利した者を玉子の婿とするとして、与一郎の優勝を算段していたが、当の与一郎が参加しない。参加するよう命…

柳寛順(ユガンスン)の青い空 韓国で歴史をふりかえる 早乙女勝元編

1995年8月1日初版発行 表紙裏「……三・一独立運動で犠牲になった一六歳の少女柳寛順にピントをしぼったが、果たして、彼女の無念の心情のひとかけらくらいは汲み取れたかどうか。それこそ火花のような短い生涯をたどりながら、私はあまりの痛ましさに胸のふさ…

ディズニーとチャップリン 大野裕之

2021年6月15日初版第1刷発行 帯封「『自分の作品の著作権は他人の手に渡しちゃだめだ』初対面時、チャップリンがディズニーへ贈った言葉 難い友情と時代に翻弄された離別。知られざる2人の師弟関係」「ディズニーは、キャラクターの創作とストーリーの大切さ…

馬上少年過ぐ《下》 司馬遼太郎

2010年5月20日発行 馬上少年過ぐ 馬上少年過ぐ 世平らかにして白髪多し 残躯天の赦すところ 楽しまざるをこれ如何 伊達政宗が晩年に作った詩の第1句。平仄と押韻の正確さは油断もすきもない彼の計算能力をあらわすものではないか。政宗は生母の於義に嫌われ…

ボランティアたちの物語 東京2020オリンピック・パラリンピックの記録 監修:公益財団法人日本財団ボランティアセンター

2022年3月24日第1刷発行 表紙裏「2021年夏に輝いたボランティアの人たちの特別な物語 ・アスリートを支えるスポーツドクターを目指す若き医師 ・東日本大震災の体験を伝える宮城県の語り部ボランティア ・南スーダン選手団とボランティア、ともに歩んだ1年9…

他力《下》 五木寛之

2014年12月10日発行 ・城山三郎さんによると、日本の事業経営における倫理観のバックボーンは2つあり、1つは侍の士魂、もう1つは儒教国家だったが、戦前からの天皇信仰によって儒教的なものが中断され、戦後になると士魂についても戦争中に懲りたため今は精…

対訳 21世紀に生きる君たちへ 司馬遼太郎 ドナルド・キーン監訳/ロバート・ミンツァー訳 

1999年11月10日初版第1刷発行 2003年5月1日初版第8刷発行 人間の荘厳さ 人間は、鎖の一環ですね。はるかな過去から未来にのびてゆく鎖の。 Each human being a link in a chain-a chain that extends from the distant past into the future. 21世紀に生きる…

それからの海舟《下》 半藤一利

2011年12月10日発行 目次 第6章 政府高官はもう真ッ平 第7章 「薩摩軍が勝つよ」 第8章 逆賊の汚名返上のため 第9章 野に吼える「氷川の隠居」 第10章 「文学は大嫌いだよ」 第11章 「我が行蔵」と「痩我慢」 第12章 誰が知る「あひるの水かき」 エピロ…

それからの海舟《上》 半藤一利

2011年12月10日発行 目次 プロローグ 「本所の勝麟」ぶらぶら記 第1章 苦心惨憺の“その日”まで 第2章 「虎穴に入らずんば」の横浜行 第3章 空しくなった最後の大芝居 第4章 静岡-東京 行ったり来たり 第5章 ふたたび西郷どんとともに ・プロローグ、は…

他力《上》 五木寛之

2014年12月10日発行 ・一般的な他力本願で言われているところの「他力」とは違うことを言わんとしているような気がするが、「他力」という言葉が連想するのは、やはりどうしても“他力本願”のようなものなので、著者が言わんとしていることが必ずしも読者に正…

馬上少年過ぐ《上》 司馬遼太郎

2010年5月20日発行 英雄児 河井継之助は、門閥でなかったが、郡奉行と町奉行を兼務し、年寄役に就き、藩財政を立て直し、借金まみれだった藩庫に多くの余剰金を作った。惜しむらく全て薩長の陰謀と考えており朝廷を中心とした統一国家をつくるとの頭はなかっ…

短歌をよむ 俵万智

2015年12月10日発行 ・短歌にするということは、非常に主観的な感情を、一度客観の網にくぐらせるということである。 ・小さなことでも、大きなことでも、何かしら「あっ」と心が揺れるようなことがあったとき、人は歌を詠みたいと思うのではないだろうか。…

虞美人草 夏目漱石(その2)

昭和26年10月25日発行 昭和43年9月10日37刷 昭和54年4月30日56刷 井上宅を訪れた浅井は想像力に乏しい男で、清三から頼まれた通り、井上の父に清三は博士になる勉強をするため、娘さんと結婚はできないが、経済的な補助はしたいと言っていると告げる。それを…

虞美人草 夏目漱石(その1)

昭和26年10月25日発行 昭和43年9月10日37刷 昭和54年4月30日56刷 裏表紙「豊かな詩才にめぐまれ、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾は、その濃艶な魅力で温厚な秀才小野の心を惹きつける。小野はやがて藤尾の遊戯的な愛に気付き、古風でもの哀れな恩師の娘小…

たそがれ清兵衛《下》 藤沢周平

1995年5月20日発行 だんまり弥助 杉内弥助重英は極端な無口のため少々変り者とみられていた。若い頃は今枝流の剣士として高名だった。弥助の数少ない昵懇の友の曾根金八は、次席家老金井甚四郎と中老大橋源左衛門の対立激化や、村甚と蔑まれる商人の暗躍、そ…

60分でわかる!デジタル本人確認&KYC超入門 神谷英亮 笠原基和 中村竜人 渡辺良光

目次 Part1 サービスのデジタル化が進む 本人確認で確認すること 001 私たちの日常生活に欠かせない本人確認 2 002 「 本人確認」は何のために行うのか 003 KYCとデジタル本人確認 004 社会のデジタル化により、急拡大するeKYC市場 005 本人確認は「身元確認…

一度読んだら絶対に忘れない英文法の教科書 牧野智一

2021年4月26日初版第1刷発行 目次 はじめに 「通訳者×英語講師」がつくった画期的英会話メソッド! ホームルーム① 英会話の学習には「順番」がある! ホームルーム② 初級者でも英会話が劇的に上達する通訳の4つのスキル 序章 通訳者が使っている英会話のスキ…

たそがれ清兵衛《上》 藤沢周平

1995年5月20日発行 たそがれ清兵衛 筆頭家老の堀将監(しょうげん)の専横はもはや目に余るところまで来ていた。家老杉山頼母らは上意討ちしかないと決めたが、堀の護衛には右に出る剣士はないと言われる近習組の北爪半四郎がいるため、討手を誰にするかが重…