2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

赤い高粱 莫言 井口晃(訳)

2012年ノーベル文学賞を受賞した莫言。かなりグロテスクな小説。血と暴力とセックスが生々しく描かれている。なぜノーベル文学賞を受賞することができたのか、その理由は、私にはまだ読み解けないというのが正直なところです。ただぐいぐい読者を引き込む迫…

誰が「知」を独占するのか デジタルアーカイブ戦争 福井建策

2010年のユーロピアーナ(EU全域にまたがる巨大電子図書館)と2013年の米国デジタル公共図書館の各立ち上げ。MOOCの世界的規模の拡大。そしていつしか進んでいた我が国の国会図書館「電子図書館」と著作権法改正。更にこの世界で痛く頭を悩ませる「…

リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書 レオナルド・インギレアリー&ミカ・ソロモン 小川敏子(訳)

はじめに お客さまにとって「唯一の存在」になるには Chapter1 脚立に乗った営繕係ー最高レベルのサービスを実現する Chapter2 顧客満足の4つの要素 完全な商品、気配り、タイミング、トラブル解決 Chapter3 技術としての言葉ーひとつの言葉もおろそかに…

闇に香る嘘 下村敦史

第60回江戸川乱歩賞受賞作。 視覚障碍者、中国残留孤児、腎臓移植という3つのキーワードで、しっかりとしたストーリが組み立てられていて、俊逸な作品です。とりわけ視覚障碍者の日常生活の大変さを細部にわたって書き込んでいるところは、ミステリーという…

蜩の記 葉室麟

ブログ再開します。 己の命を、何のために投げ出すのか。志の高さこそ、人の価値を人々に伝え、またその人そのものを輝かす。それにしても、筆者の落ち着いた文体は、素晴らしい。 小説の最後の方で、秋谷の「未練はない」との言葉への和尚のコメントは、自…