#練習用

コンビニ人間 村田紗耶香

第155回芥川賞受賞作 2重の意味で面白い小説です。単純に「笑える」面白さがあります。アイロニーがふんだんにきかされています。それに加えて、「普通」の人と、そうじゃない人が「普通」に振るまうっていうことの生きづらさを感じさせつつ、でもそうい…

牧口常三郎はカントを超えたか 宮田幸一

第Ⅰ部 真理と価値 牧口真理論の研究 『創価教育学体系』における善の概念 価値命題の真理性 *まとめること自体が難しい。新カント派思想の代表者である左右田喜一郎の思想のある面を受け継ぎつつ、左右田と牧口の根本的な考えの相違も明確であるとする論旨…

会社の品格 小笹芳央

実は、どんな言葉を会社の中で使うのかは、会社の品格を大きく左右します。品格のある会社は、社会で使われる言葉にも品格があるものなのです。言葉というのは、個人個人の意識の中に、知らず知らずのうちに深く浸透していきます。単なる社内で流通する言葉…

スカラムーシュ ラファエル・サバチニ 加島祥造訳

スカラムーシュ(道化)演じるアンドレ・ルイ・モロー(弁護士)が、フランス革命の前夜、親友の命を奪ったダジール侯爵に対し、復讐を遂げようと、その雄弁の才能を最大限に発揮しながら、ある時は喜劇の団員に混ざって道化を演じ、ある時は剣の道場で剣士…

むらさきのスカートの女 今村夏子

第161回芥川賞受賞作 文藝春秋で読みました。今村さんの作品は初めて読みました。むらさきのスカートの女をいつもみつめ続ける、黄色のカーディガンの女の視線で、むらさきのスカートの女がいわゆる変人から、普通に仕事を始めるようになり、そのうち上司…

世界2019年9月 失うだけの日米FTA 鈴木宜弘

1958年生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。 堤未果さんの「日本が売られる」を思い出しました。それよりも更に現実は着実に目に見えないところで悪化しているという警告を発している。トランプの「7月の日本の選挙の後ま…

FACT FULNESS ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング著 上杉周作、関美和訳

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 帯封「「世界100部超の大ベストセラー待望の日本上陸!」「あなたの”常識”は20年前で止まっている!?」「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」ビル・ゲイツ大絶賛、大卒の希…

民法と50年 我妻栄 「法の研究に一生を捧げて」

法律相談所雑誌12号所収(昭和37年) 民法改正後に、私法学会が全国的調査をしたことがある、相続のあった家庭を戸別訪問して、あなた方はどういうふうに財産を分けたかと聞く、すると、実は分けていないということがわかる。法律の規定が変わっただけで社…

民法と50年 我妻栄 「民法解釈学の建設者鳩山秀夫先生」切

書斎の窓2号所収(昭和28年) 鳩山先生の論著においては、「名文句」がでてくる前に、形式論理の犀利な分析と緻密な組立てとがある。いいかえると、先生の論著は、寸分のくるいもない論理的な構成が基盤をなし、その基盤の上で、あくまでこれを厳守しなが…

武家礼法に学ぶ 大人の作法 小笠原清忠

帯封に「現代の武士〈ビジネスマン〉が身に付けるべき本物の品格 850年の歴史を持つ武家作法「小笠原流礼法」に学ぶ成熟した大人の「心」と「立ち居振る舞い」とある。積読していた本を流し読み。

100分de名著 エチカ スピノザ 國分功一郎 2018年12月

アインシュタイン 私はスピノザの・・現代思想への貢献に感嘆する。ージョージ・シルヴェスター・フィーレックによるインタビュー ドゥルーズ・ガタリ スピノザこそ哲学者たちのキリストであり、そしてもっとも偉大な哲学者たちでさえも、・・その使徒にすぎ…

医師が教える50歳からの超簡単ダイエット 川村昌嗣

帯封に「歩きながら腹筋を動かすだけで、腹囲ー10cm!」 何も難しいことはありません。歩く際、お腹を出したり引っ込めたりするという腹筋運動をする、それだけです。 バイキング お金払って 肥満体 早速、実践してみよう。

民法と50年 我妻栄 「井戸を掘れー卒業生諸君へ」

緑会雑誌14号所収(昭和17年) 「諸君は、卒業後は官庁や銀行・会社や、その他色々の方面に就職されるだろう。しかし、その何れの方面に行かれるにしても、その最初に担当する職務に関連して何か一つの問題を選んで、それを徹底的に研究することに努められた…

資本主義と民主主義の終焉ー平成の政治と経済を読み解く 水野和夫 山口二郎

第1章 新時代への期待ーバブルとベルリンの壁、2つの崩壊 1989~1992 バブルは日米政府に仕組まれていた!? 日本ひとつで、アメリカが4つ買えた 「良い民主化」と「悪い民主化」 「恒産なくして恒心なし」という言葉がありますが、一定の職業や財産を持た…

世界2019年8月 核軍縮への課題ー核兵器禁止条約成立から2年、いま何をなすべきか 川上哲

川上哲 ICAN国際運営委員 発効へ向かう核兵器禁止条約 この条約は50か国が批准した90日後に発行する。6月19日現在23か国が批准を済ませているので約半分まで来たという現状を紹介するところから始まっている(賛成票は122か国、70か国が署名)。 122か国が賛…

GAFA 四騎士が創り変えた世界 the four スコット・ギャロウェイ 訳:渡会圭子

読者が選ぶビジネス書グランプリ2019【総合グランプリ】第1位 2018年8月15日第2刷発行 第1章 GAFA-世界を創り変えた四騎士 第2章 アマゾンー1兆ドルに最も近い巨人 第3章 アップルージョブズという教祖を崇める宗教 第4章 フェイスブック…

図解 一度は訪ねておきたい!日本に七宗と総本山・大本山 永田美穂

第1章 天台宗の総本山 延暦寺 第2章 真言宗の総本山 金剛峯寺 第3章 浄土宗(法然)の総本山・大本山 知恩院(京都) 第4章 浄土真宗(親鸞)の本山 西本願寺(顕如)と東本願寺(教如) 第5章 曹洞宗(道元)の大本山 永平寺(福井) 總持寺(鶴見区)…

直感と論理をつなぐ思考法ーVISION DRIVEN 佐宗邦威

はじめに ふつうに生きていると、僕たちの脳はずっと「他人モード」になっており、「自分がどう感じるか」よりも、「どうすれば他人が満足するか」ばかり考えている。 「自分モード」のスイッチを切ったまま日々を過ごしていると、僕たちは「何がしたいのか…

ザ・殺し文句 川上徹也

本書で何度か登場している野村克也は、印象的なフレーズを語ることで有名でした。それらの多くはその場で思いついた言葉ではなく、何らかの元ネタからあらかじめ準備していたことが多かったといいます。現役時代の代名詞だった「ひっそりとさく月見草」とい…

ゴーマニズム宣言 2nd Season  小林よしのり

帯封にあるとおり「平成総決算」の内容。 ちなみに著者は読書家である。大学でサルトルの『嘔吐』を読み、『存在と無』を読んで「実存主義」に嵌り、カミュやハイデッガーやニーチェに魅了され、サルトルが嵌ったマルクスも読んでいる。日本で実存主義に影響…

南無阿弥陀仏と南無妙法蓮華経 平岡聡

2019年3月20日発行 1960(昭和35)年生まれ 京都文教学園学園長・京都文教大学学長。 裏表紙 法然(1133-1212) 日蓮(1222-1282) 南無阿弥陀仏(念仏) 南無妙法蓮華経(唱題) 選択本願念仏 法華至上主義 どんな人間も往生 その身のまま成仏 相次ぐ法難・…

法の任務(THE TASK OF LAW) R.パウンド 末延三次譯

第1章 法はなぜ必要か 「法的秩序の任務は、それらの願望や要求の中で、どれを、そしてまたどの限度内において、認めかつ保障すべきであるかを決定し、摩擦や浪費を最小限度に抑えて右の願望や要求に満足を與えるべきことを命ずることである」 「アリストテ…

「甘え」の構造 土居健郎

昭和46年2月25日初版第一刷 昭和60年4月30日第2版13刷発行(通算138刷) 昭和32年ー46年 聖路加国際病院神経科医長 昭和46年ー55年 東京大学医学部教授 昭和55年ー57年 国際基督大学教授 現在 国立精神衛生研究所所長 帯封に「『甘え…

世界2019年6月“C”の誘惑 スコア監視国家と「内心の自由」 山本龍彦

「人の心の内奥を「見る」センシング技術と一体化した賞罰システムによって失われるのは、この人間の究極的領域、すなわち「ロドリゴの自由」である。」 遠藤周作の『沈黙』に出てくる、行為選択の自由は失ったが、なお精神の自由という究極的自由を保持して…

続「非まじめ」のすすめ 千輪車の発想 森政弘

はじめに Ⅰ 回れ千輪車! 1 はじめに制御あり 2 人は千輪車 Ⅱ 逆転の発想 1 自己診断 2 池辺先生のこと 3 逆転させるための勇気 Ⅲ 新しい祭り 1 発端 2 失敗を競う 3 創造の祭り Ⅳ シルエットの発想 1 影の美しさ 「つらつらと考えると、自分もまた…

諸宗教対話 公文書資料と解説 日本カトリック司教協議会 諸宗教部門・編

2006年7月4日 初版第2刷発行 目次 まえがき Ⅰ 公文書資料集 第二バチカン公会議文書 教皇文書 教会法 要理書 教皇庁教理省の文書 その他の教皇庁文書 アジア司教協議会連盟(FABC)文書 日本カトリック司教協議会文書 Ⅱ 諸宗教対話の解説 なぜ対話か―デ・ジ…

牧口常三郎と新渡戸稲造 石上玄一郎

当時東京大学英文学の主任だった外山正一教授と同大学文学部に入学した新渡戸稲造とのやり取りは新渡戸稲造の将来を予感させるものであり面白い。 外山教授の「農政学を専攻するための基礎として、経済学や統計学をやるのはいいとして、なぜ方面違いの英文学…

100分de名著 『薔薇の名前』 ウンベルト・エーコ 和田忠彦

『薔薇の名前』は世界中でダイベストセラーとなり、エーコ(1932~2016)が死を迎えた時点で出版部数55百万部を超える新たな古典となった。 表紙に「笑いは知の限界を暴く」「理論化できないことは物語らなければならない」 「『笑イヲ誘ウことばハ口ニシテ…

100分de名著 『一九八四年』リアルな「未来」 オーウェル 高橋源一郎

ディストピア小説の最高峰、スペイン内戦の陰、物語の概要(戦争は平和なり、自由は隷従なり、無知は力なり)、『一九八四年』を読んで感じるいくつかのこと、二十思考、現実が『一九八四年』を真似している?、ニュースピーク、テレスクリーン、メディアに…

100分de名著 『「空気」の研究』「忖度」の温床 山本七平 大澤真幸

『日本人とユダヤ人』(1970年)イザヤ・ベンダサン 300万部を超える大ベストセラー キリスト教と戦争体験、一神教との対比で語る日本人論、なぜ今『「空気」の研究』を読むのか、「空気」とは何か、「空気」の要件①一緒にいる人たちのあいだでシェアされる②…