2015-01-01から1年間の記事一覧
本年度のミステリーの中で文句なしに一番面白いです。週刊文春ミステリーベスト10第1位ほか、コニャック市ミステリ文学賞ほか全5冠の帯封に釣られて買いましたが、これは納得です。その女アレックスもそれなりの作品だったとは思いますが、ミステリとしての…
NHKラジオテキスト仕事学のすすめ2015年5月 廃園に迫られた旭山動物園園長だった小菅さんが語り手としてマネジメントとは何かか、変革のためには何が必要なのかということを平易な言葉で語り、しかもそれが結局10倍もの来園者を実現する所まで実行している…
実存主義とはヒューマニズムである。という言葉が最も印象的だった。サルトルの代表作「嘔吐」にその思想的淵源が見られるとのこと。シモーヌ・ド・ボーヴォワールが恋人だということはこれを読んで初めて知りました。「第二の性」を読んでみたいという気に…
日本人にとって最もなじみの深いお経とか、釈迦の仏教と大乗仏教の一つの般若心教とは別物だとかいう説明があったが、果たして本当なのだろうか。262文字の短いお経だというのはその通りだと思うのだが、果たして・・・
大久保利通を、現代の日本の凋落の最大の原因という位置づけをしているように思えるが、連続テレビドラマ「朝が来た」で、ちょうど大久保利通暗殺の回をやっていて、評価がまるで正反対になっている。歴史上の人物を評価するというのは誠に難しいことだと改…
1年前に買ったけど、なかなかライムシリーズで読み進められなかった一冊。150ページくらいで止まっていたけれど、ようやくいつものスピード感が蘇ってきた感じで最後まで一気に読めました。しかし途中までがしんどくなっている。後半と最後の最後での大どん…
もう少し前に読んでおいたらよかったかも。です。
「回廊の陰翳」と本作とどちらを先に読んだのかは忘れてしまったが、いずれもミステリーとしては面白い部類に入ります。保険調査員が事故死なのか自殺したのかを丹念に調査していく、そして最後のどんでん返し。第13回松本清張賞受賞作。選考委員会全員一…
三島由紀夫のエンタメ小説が存在しているとは知りませんでした。 自殺に失敗した男のエンタメ小説風でありながら、三島の告白がもれつたわるような内容です。生誕90年。没後45年とはおもえない斬新さがあります。
第153回直木賞受賞作。同時期の芥川賞受賞作よりも、個人的には、こちらの方が好きですね。台湾という国の一面を知ることができるという意味では、とても勉強になりました。
「上下雷同」は危険(66頁)、「和」によって滅ぶ(69頁) 草創より守文は難し。守文のために、リーダーは、十思で自らを統御し、部下の九得を弘め、能力のある者を適材適所で任じ、善い者・正しい者の言葉で身を正せば、全員がその能力を喜んで発揮する…
裏表紙に「○家康を震え上がらせた真田家次男の誇り 天正10年(1582)、信長が本能寺に倒れると戦国がまた動き出す。秀吉と家康という天下人たちの凄まじい政争。その大きなうねりの中で必死に信州の里を守ろうとする小豪族・真田家。次男・幸村は上杉…
序章 壁画か板絵か? ローマから世界に発信された暗号 第1章《アンギアーリーの戦い》と『君主論』ダ・ヴィンチとマキャヴェッリ 第2章 壁画と板絵 壁画制作中断の背景 第3章 アンギアーリーの戦い 一枚の板絵に仕掛けたダ・ヴィンチの予言 第4章《タヴ…
第1部 文化の問題 日本文化論への批判的考察 鈴木大拙・和辻哲郎の場合 明治百年における日本の自己誤認 日本の宗教的痴呆 美学におけるナショナリズム 第2部 美の問題 日本の美意識の感情的構造 壬生忠岑「和歌体十種」について 世阿弥の芸術論 徳川武士…
第153回芥川賞受賞作。なので、それなりに面白いだろうと期待して読んだけど、介護の仕事をする孫と、介護を要する祖父との日常的な関係の中で、孫の毒々しい内心を綴り続けている、そんな小説のようにしか読めず、面白いとは思えなかった。どうしてこれ…
日本の医療制度が、これからアメリカ型に進むのか、キューバ型に進むのか、ということをテーマに置いた衝撃的なルポです。多くの人が絶賛している理由がよくわかります。キューバが経済制裁で苦しい中、国家予算を医療に投資し、完全無料の医科大学を設立し…
辛口評論、純文学として一定のレベルにあるとの論評など、様々ありますが、芸人として忙しい中で、よくここまで頑張って書きましたっていうような感じ方をした人が一番多かったんじゃないでしょうか。でも最後の性的変換の願望は普通の人には中々理解し辛い…
ポリアモリーなどといった聞き慣れない用語を用いているところに、妖しげな雰囲気が随所に醸し出されているほか、全体の論旨に全く共感するところがない。しかし、こういう風潮がひたひたと社会に浸透していくこと自体、とても恐ろしいことだと思う。
相当違和感のある書物だった。帯封に35万部突破とあるので、うれている以上はそれなりに意味もある書籍だろうと思ったのだが、期待はずれだった。かなり家族というものにあまりに恵まれなかったか、著者の感性が独特すぎるのか、いずれにしても共感できる箇…
著者が代表を務めるPOSSEで受けた労働相談から見えてきたブラック企業の実態を冷静なタッチで暴いた一書。個々の問題だけを解決するだけではよしとせず、戦略的思考をもって、社会問題として解決しようとする姿勢には共感が持てる。若者の特徴としてマスコミ…
50万部突破!は頷ける。こちらはすっきりとかなり読みやすい。
260万部突破!の表紙につられて、つい買ってしまった。が、ありきたりの表現によるハウツー本の類という感想を持ってしまった。そのような感想を持ったのは私だけなのだろうか。
「週刊ダイヤモンド」2014年ベスト経済書第1位、新書大賞2015第2位。 ご本人は謙遜して末尾で「『変人』には資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえています」と書かれていますが、これを読むと読者は誰でも同じ鐘の音が聞こえてくるのではないでし…
”オバマケア”なるものの正体見たり、という告発本。ただこれ(医療=命を商品化する)が日本に上陸しようとしているとの指摘は、一連の流れを見ているとさもありなんと思ってしまう。「ルポ 貧困大国アメリカ」に続くこのアメリカ・ノンフィクションは衝撃的…
英語圏の国々では現代哲学の主流であり続ける分析哲学。しかし、日本ではその存在感は薄い。その現状が「限りなく号泣状態に近いくらい悲しい」と嘆く著者による、渾身の入門書。「ある」とはどういうこと?「知っている」とは?「心」とは?「物」とは?分…
途中で何度か挫折して来た長編もの。世界十代小説の一つに数えられているらしい。裁判小説のようでいながら、三兄弟を通して、神を扱う深遠なテーマを扱っているからなのだろうか?
「太平記」天皇に召された正成は、“天下草創ノ功ハ、武略と智謀ノ二ツニテ候”といいながらも、謀略をもってしなければ武力優位の幕府軍と対決するのはむずかしいと説く(117p)。 「養生訓」(貝原益軒)83歳の書。「人身は脾腎を本源とす。草木の根本あ…
児童文学者の短編集。クラスでの絵の具の盗み、妹が沖に流される事件、囲碁の玉を飲み込んでしまう話、火事と犬の話全編が、子供の目線で描かれていて、それもただならぬ臨場感溢れる筆致で書かれているのに驚いた。昔々読んだのだろうが、その時はきっと当…
岩手県遠野市で生まれ育った佐々木喜善から聞いた話を民話として今から100年以上も前に発刊。自然、負の遺産、神などを通しながら、普遍性を持った民話だということを知る。現物はいつかはゆっくり読んで見たい。
「しょせん、すべては小さなこと」(副題) ●004 頭で悩みごとの雪だるまをつくらない ●