ダ・ヴィンチ封印《タヴォラ・ドーリア》の500年 秋山敏郎

序章 壁画か板絵か? ローマから世界に発信された暗号
第1章《アンギアーリーの戦い》と『君主論ダ・ヴィンチマキャヴェッリ
第2章 壁画と板絵 壁画制作中断の背景
第3章 アンギアーリーの戦い 一枚の板絵に仕掛けたダ・ヴィンチの予言
第4章《タヴォラ・ドーリア》 画面に仕掛けたレオナルド・ダ・ヴィンチのトリック
第5章《タヴォラ・ドーリア》の戦い① フィレンツェの捕囚時代~ドーリア家の家宝時代
第6章《タヴォラ・ドーリア》の戦い② スイス、ドイツ、アメリカとドイツ亡命時代

冒頭で、「2012年11月27日、イタリア政府は、一枚の板絵《タヴォラ・ドーリア》が日本の東京富士美術館から寄贈された、とローマで発表した。この発表と同時に大統領官邸クイリナーレ宮で、『タヴォラ・ドーリアー大傑作、母国に帰る」と題する特別内覧会が行われ、ナポリターノ大統領、イタリア文化政策の重鎮、オルナギ文化大臣、チェッキ副大臣らが揃って出席した。またイタリア政府と東京富士美術館との間で長期にわたる友好協定が締結されたことも発表された。この板絵《タヴォラ・ドーリア》は、1990年に筆者がミュンヘンで契約し購入した後、1992年6月8日に日本に輸入した絵画作品である。」というところから始まる。

《タヴォラ・ドーリア》が、ダ・ヴィンチの代表作とも言われる所以を知り、なるほどと随所にうならせる記述満載で、しかもとても美術的な知識は皆無の読者であっても分かりやすく説明されていて、読み応えも十分で、とても面白かったです。