2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧
2014年1月31日 第1刷発行 幕末から明治にかけて活躍した三遊亭円朝の怪談話で最も有名な作品。長い話のため、15日かけて最後まで語ったとか。大評判となり速記で出版するとベストセラーに。 第1話 飯島平太郎の黒川孝蔵殺し 第2話 萩原新三郎とお露の出会…
1997 年 4 月 10 日初版発行 上篇は恋愛小説、下篇は失恋小説。 上下一貫して杉子をめぐり、野島と大宮の友情を扱う。上篇は野島が杉子を理想化し妻にしたいと妄想し、大宮が野島の友として杉子に野島が良き人物であることを伝える形で友情を扱う。下篇は杉…
1976 年 3 月初版発行 1992 年 10 月第 14 刷発行 巻末の付録に井戸賀芳郎の「日本文化の発展につくした人々」という解説がある。 ここから読み始めた方が小説自体も読み易いと思う。 『天平の甍』は、中村新太郎『天平の虹』と違って、鑑真和上をわき役とし…
2014年3月10日第1刷発行 後深草上皇と弟の亀山天皇との間に皇位継承をめぐって争いが起きた時に持明院統と大覚寺統が10年ごと交代で皇位につくことが定められ、大覚寺統の後醍醐天皇が倒幕を企てたために持明院統に皇位を移すことを企てた鎌倉幕府(執権北条…
1986年1月 初版発行 冒頭に《若い読者に贈る言葉》として「個性というのはけっして自己をあらわすことではない。自己を通してあらわれるものをいうのである。」(山本有三『芸術は「あらわれ」より』から)が掲げられていた。良い言葉だと思う。 父の遺書 義…
1982 年 1 月初版発行 1997 年 4 月第 13 刷発行 はしがき 三葉の男の写真。1 葉は 10 歳前後の写真(気味悪く醜く笑っている)。2 葉は学生姿(巧みな微笑)。3 葉は年が分からない(頭は幾分白髪。何も印象に残らない)。 第1の手記 有名な「はじの多い生…
2012年8月15日第1刷発行 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 釈迦に給狐独長者が寄付した「祇樹給狐独園(ぎじゅざっこどくおん)」。道場は「精舎」というので、祇園精舎と呼ばれた。建礼門院がいた寂光院の鐘が「祇園精舎の鐘の音・・・」と鳴って物…
1986年1月 初版発行 寄付金 小学校が生徒に寄付を募る。義夫は厳格な父から10銭受け取るが、登校途中で友達が20銭寄附すると聞いて自分の小遣いから10銭足して封筒に拾の上に自分で「二」と書き足す。同じクラスの貧しいクラスメートが10銭寄附するつもりだ…
2003 年 12 月 25 日発行 『暖簾』初出は 1957 年 4 月。大阪の古い商家に生まれた筆者が、現代と過去の大阪商人をドキュメンタリーの要素の上にたるフィクションとして描かれている。明治 29 年 3 月、淡路島からたった 35 銭を握りしめて大阪に出た吾平が…
2016 年 3 月 10 日第 1 刷発行 こんなお話が平安時代にあったとは!? 女として生まれた姉が男として生き、男と生まれた弟が女として生きる。そして時が来て姉は再び女として生き、弟は再び男として生きる。とりかえばや(とりかえてほしい)とはそういう二…
2022 年 1 月 21 日第 1 刷発行 2022 年第 20 回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。表紙裏には「特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた凄腕の女性弁理士・大鳳未来が、相方の弁護士と共に防衛専門の特許法律事務所を立ち上げた。今回の…
昭和36年6月1日初版発行 昭和46年5月15日8刷発行 訳者あとがきに、エマソンの生涯が簡潔にまとめられている。 エマソンの家柄は五代にわかって牧師をつとめたニューイングランドの名門。 エマソンが8歳の時に父が42歳の若さで亡くなり、8人兄弟のうち兄を除…
1964年12月1刷 1989年11月52刷 両親から離れ、伊豆の湯が島でおぬい婆さんに育てられる洪作少年の哀感を、ユーモアを交えて綴る。郷愁をよびおこす著者の自伝的名作。 しろばんばは、Wikipediaで調べると「雪虫」と出てくる。小説の冒頭に、洪作が住んでいた…
昭和45年6月25日発行 平成15年5月30日61刷改版 平成19年6月5日68刷 この本は通読するのに3週間かかった。全ページ一枚一枚が重い。頁を捲ることができない。一行一行が重い。そこに登場する原爆投下直後の広島の人々、それぞれの死体、半死体が淡々と、しか…
昭和四十五年十一月二十八日 第一刷 発行 日本人が登場する、後半部分のうち、更にその後半半部分(これで最後)。 修道院長はどうあるべきか人間と言ふものは、上天子より下万人に至るまで、男女の外別種なし。然るを上下に分ち夫々の位階を立、又四民の名…
2021年12月30日第1刷発行 言葉に鋭敏な感覚を持ち、思索を深めようとする哲学者の新書。 語源原理主義は良くないが、現代的意味だけしか知らないのは貧しい。「しあわせ」は「仕合わす」という二つの物事がぴったり合った状態を指す言葉だったものが「幸福」…
2014 年 1 月 31 日第 1 刷発行 12 世紀前半に成立したと思われる古い説話集。 1 おかしな人々のお話(うわさ話)(1)浮気男の失敗(巻二十八第一話 近衛の舎人共稲荷詣して、重方女に値へる語)ナンパした相手が妻だったため、平手打ちを食らう(2)猫…
1964 年 9 月 1 刷 1987 年 5 月 62 刷 下村湖人の自伝的小説。 幼い頃に里子出され、乳母のことを好きになるが、ある時から実家に連れ戻される。母と祖母は長男と三男を可愛がり、負け嫌いの次郎を差別する。特に祖母の差別的対応はひどく、おやつを上げる…
昭和四十五年十一月二十八日 第一刷 発行 日本人が登場する、後半部分のうち、更にその前半部分(前回は前半部分のみ)。 王地に生たれば、身をば随へられたてまつるやうなりとも、心をば随へたてまつるべからず。 (二六〇)日蓮『撰時鈔』(一二七五) 国…
2016 年 3 月 10 日第 1 刷発行 兼好法師の『徒然草』の現代語版。『枕草子』『方丈記』と並んで日本三大随筆の一つと言われる。鎌倉末期から南北朝時代の頃、兼好は左兵衛佐にまで昇進したが突然退職して出家し旅をする。死後になってから僧の正徹が室町時…
2021年11月20日発行 「50万部ベストセラー著者が解説 きみの脳は変えられる!教育大国スウェーデンで小中学生10万人が読んだ「脳力強化バイブル」日本上陸」という表紙につられて購入。 第1章 もっと幸せな自分になる 第2章 イヤや自分とさよならする 第3…
1964年1刷 1988年58刷 昭和12年から朝日新聞に連載された小説。人道主義的思想が強い作品のため軍部ににらまれ、第2部がなかなか発表できず、主婦の友で掲載されることになるも、軍部の圧力が加わり筆を折ってしまい、第2部は書かれずに終わる。 明治の中期…
2014年2月28日第1刷発行 十返舎一久の東海道中膝栗毛を分かり易く現代語でリライト。膝栗毛とは、自分のひざを栗毛の馬のごとくにしててくてく歩いて旅をすること。 駿府のとちめん屋の若旦那・弥次郎兵衛と芝居小屋にいた北八のコンビが江戸・日本橋からお…
2021 年2月初版第 1 刷 センジンファイル189 青森 菊池楯衛(1846~1918) 青森をリンゴ王国へと導いた センジンファイル190 埼玉 渋沢栄一(1840~1931) 日本経済の土台を築いた実業家 センジンファイル191 東京 相馬黒光(1875~195558) 新宿中村…
2020年10月25日初版 2021年6月10日再販 「第22回(2021年度)読売・吉野作造賞受賞」の帯封。帯封の裏には「デジタル技術の深化は、新興国・途上国の姿を劇的に変えつつある。中国、インド、東南アジアやアフリカ諸国は、今や最先端技術の『実験場』と化し、…
2016年3月10日第1刷発行 在原業平を想定した男性を主人公とした、平安時代の、日本最古の歌物語。 第1章は、氷室冴子『なんて素敵なジャパネスク』が、『伊勢物語』の『筒井筒の仲』をモデルにセリフが展開していることを紹介し、伊勢物語は現代の恋の教科…
2021年9月22日 第1刷発行 著者は、本(書物)も貨幣(お金)もブラックボックスだという独特の着眼点から、コンピューター社会に生きる現代人は幾重にもブラックボックスに取り巻かれて生活していると述べる。 それを解き明かすために第1章では電子貨幣・電…
昭和45年11月28日 第1刷発行 名だたる方々が委員・担当に名を連ねておられます。 『語録 人間の権利』翻訳刊行委員会委員および担当 委員長 桑原 武夫(京都大学名誉教授) 《権力》および総監修 委員 青山 道夫(東京経済大学教授) 《市民的自由》 委員 有…