徒然草  那須田淳

2016 年 3 月 10 日第 1 刷発行


 兼好法師の『徒然草』の現代語版。『枕草子』『方丈記』と並んで日本三大随筆の一つと言われる。鎌倉末期から南北朝時代の頃、兼好は左兵衛佐にまで昇進したが突然退職して出家し旅をする。死後になってから僧の正徹が室町時代になってから『徒然草』を紹介する。

 有名な段の冒頭の僅かな部分だけ古典で書かれたものを味わい、後は現代語的に書かれているので読み易いが、風流な気分を味わうことは残念ながらできない。そういう意味では古典そのものを読んだ方が良さそうだ。

 二本の矢の話(一本の矢に集中しないといけない。2 本目があると思うと一本目をいい加減に打ってしまう)や名人の話(目もくらむ高いところでは本人も危ないと思っているから注意することもないが、しくじりはもう大丈夫と思うような時に起こす)など、有名なお話を現代風にとても分かりやすくアレンジしてくれています。