資本主義の終焉と歴史の危機 水野和夫

週刊ダイヤモンド」2014年ベスト経済書第1位、新書大賞2015第2位。
ご本人は謙遜して末尾で「『変人』には資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえています」と書かれていますが、これを読むと読者は誰でも同じ鐘の音が聞こえてくるのではないでしょうか。利息を取ることを禁じた古代キリスト教の本質的理由もわかるような気がします。地理的・物的空間が消滅した後に過剰を追い求めるとしたら「電子・金融空間」しかない、との指摘。また神がかつて支配していた「情報」と「時」を人間が支配したことにより、「歴史は終焉する」と喝破した著者の慧眼には瞠目すべきものがあります。