帝王学 「貞観政要」の読み方 山本七平

「上下雷同」は危険(66頁)、「和」によって滅ぶ(69頁)
 草創より守文は難し。守文のために、リーダーは、十思で自らを統御し、部下の九得を弘め、能力のある者を適材適所で任じ、善い者・正しい者の言葉で身を正せば、全員がその能力を喜んで発揮する(75頁。結論)

「六正・六邪」の人物評価法(97頁以下)
「六正」
 「聖臣」きざしがまだ動かず、兆候もまた明確ではないのに、そこに明らかに存亡
   の危機を見て、それを未然に封じて、主人を、超然として尊栄の地位に立たせる
 「良臣」とらわれぬ、わだかまりなき心で、善い行いの道に精進し、主人に礼と義
  を勉めさせ、すぐれた計りごとを進言し、主人の美点をのばし、欠点を正しく救う
 「中臣」朝は早く起き、夜は遅く寝て勤めに精励し、賢者の登用を進めることを怠
  らず、昔の立派な行いを説いて主人をはげます
 「智臣」事の成功・失敗を正確に予知し、早く危険を防いで救い、くいちがいを調
  整してその原因を除き、禍を転じて福として主人に心配させないようにする
 「貞臣」節度を守り、法を尊重し、高給は辞退し、賜物は人に譲り、生活は節倹を
  旨とする
 「直臣」国家が混乱したとき、諂わずにあえて峻厳な主人の顔をおかし、面前でそ
  の過失を述べて諌める