読書力 齋藤孝

「本は並べ方が大事」の中で、「系譜の意識」をはっきりさせる、本と本との結びつきを考えながら配列する面白さを指摘している点は、なるほど、と唸りました。これまで何となく似た者同士を並べてきまましたが、系譜を意識するということで、読書力があがるという視点まではありませんでした。

「声の文化と文字の文化」(オング)はこの本の中で紹介されている多数の本の中でも最も興味がそそられました。自然と人工との対比で意識的に捉えることがなかったので、面白い視点ですね。距離の取り方は技術であり、技である、したがって、近づくことと離れることはいずれも技術だという指摘とともに、それは書き言葉を身につけることで養われるというのも新鮮でした。