2023-09-08から1日間の記事一覧

きのね[柝の音]《二》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 神田明神町の料亭満開楼の令嬢亮子との縁談が決まった。山王下の新居の準備に忙しく、婚礼の式が終われば、花嫁と付添いの老女が新居にやってきた。深夜に帰ってきた雪雄だったが、お茶を一口飲むと2階へ上がる。初日を迎える日の朝だった…

きのね[柝の音]《一》 宮尾登美子

1998年4月20日発行 市川行徳の塩作りで貧乏の家に生まれた光乃は、小学校卒業後、劣等感を抱きながら実践実科女学校に通う。しかし母のさだがが胃癌で亡くなり、阿佐ヶ谷の叔母の家で世話になるが、卒業間近になっても自立しないため叔母から嫌味を言われ、…