部長って何だ! 丹羽宇一郎

2020年11月20日第1刷発行

 

漁師は獲ったナマコを生きたまま船で港へ持ち帰る際、その中に天敵のカニを一匹入れると言います。「食べられてしまうかもしれない」という緊張感がナマコの生命力を引き出すのだそうです。

なるほど。引き続き、

バックグランドが異なる者同士が共存することで未経験の刺激や思わぬ化学反応が生じます。とあった。そうなのかもしれない。とガテンがいった。

 

大銀行の頭取だった方が「新人時代は会社で毎日のように封筒の宛名書きばかりさせられていた」という話を側近の役員から聞いたことがあります。大学出をバカにするなと何度も会社を辞めようと思ったが、先輩から「いいから黙ってやれ。無駄になる仕事はない」と言い聞かされた。宛名を書く回数が多い顧客は銀行にとってそれだけ重要な取引先ということを意味する。おかげで課長や部長になった時、社内で最もお得意先の顧客の名前と住所を知る社員として評価されるようになったー。

これも、なるほどー、と思いました。もし誰かにやらせていたら、決して自分の血肉にはならなかったエピソードとして、興味深かったです。

 

丹羽さんは、一言でいって、仕事の鬼ですね。犠牲にされた方々への謝意を最後に綴られていますが、やはりそこまで仕事にのめり込むことで一流になっていくということなんだとも思いました。現在の働き方改革についても厳しい意見です。