毛抜・鳴神  石崎洋司

2019 年 1 月 31 日第 1 刷発行

 毛抜

 小野春道の一人娘「錦の前」は髪が逆立つ奇病にかかり婚儀が滞る中、粂寺弾正は、毛抜と小柄が踊り出すのを見て(銀の煙管は踊らないのに)、髪が逆立つ原因を推理し、磁石が天井裏に隠されていて、鉄で作られた髪飾りのせいで髪が逆立つ奇病だと思わしめた家臣の謀略を見破り、槍を天井に突き刺し磁石と共に忍者が落ちて来た。その忍者をすぐさま叩き切った家臣こそ真犯人と見抜き、その家臣を一刀両断する弾正。

 鳴神

 雨を降らす竜神を滝壺に封印した鳴神上人の下に送り込まれた美女・雲の絶間姫に酒を飲まされ酔いつぶれた隙に封印を切られてしまい、竜神が飛び出して雨が再び降る。騙されたことに気付いた上人の髪型がハリネズミのようないがぐり頭に変わり、上半身の着物が火炎模様に、顔も赤と黒隈取りが施され、拍子木の音とともにパンパンパンパンパンパンと飛び六方で花道から消えていく。


短い歌舞伎を見るなら、このどちらかですね。