神の法vs.人の法 スカーフ論争からみる西欧とイスラームの断層 内藤正典 阪口正二郎(編著)

少し古い本ですが、帯封の一節。
憲法学と社会学の共同作業による、比類なき一冊。最終章、樋口陽一氏を招いての鼎談は圧巻。

 スカーフの意義、そしてそれを公共の場で着用を禁じるスカート禁止法のもつ意味、
そして、それを政教分離の観点、また社会学的観点から考察し、しかもフランスにも、トルコにも、またベルギーにも、同様の問題が起こりつつ、社会的現象や意味合いが異なっていることを初めて知る。

 近年のフランス、ベルギー等でのテロ、そしてトルコでのクーデターを報道で見ていると、この本に書かれている問題群に通底しているものがありそうな気がします。