世界2018年12月 インタビュー 日本型移民社会は可能か 坂中英徳

東京入国管理局長などを歴任(2005年3月退職)。外国人政策研究所(現在の移民政策研究所)を設立。

親の多くが、子どもが入管に出頭しなければならない前日に切羽詰まってやっと「おまえは、”日本人”ではない」と打ち明けている当時の現状(1971年)の体験が原風景になっているとする筆者の冒頭の語りは、衝撃を受けた。考えてみればその通りの現状があるのだろう。
技能実習制度は「日本版奴隷制度」であると厳しく指摘し、現在の政府の新方針は「熟練した技能を持つと認定された外国人に限って日本での永住を認め、家族の帯同を認める、事実上の移民政策への転換」と認識するのが正しい見方である、との論旨を読んで納得。その通りだと思う。
人口減の日本を救う「移民革命」を起こすべきであり「日本人の心」と「地球市民の心」を兼ね備えた市民の育成が肝要であり、そうした心の広い日本人が多数派を形成する社会、それこそが私の考える理想の移民社会であるとする著者の考えには賛成だ。