小學を読む 己を修め徳望を磨く古典 荒井桂

2015年8月31日第1刷発行

 

小學は朱子が劉清之と編集して1187年に完成。

書題、題辞、内篇(立教第一、明倫第二、敬身第三、稽古第四)、外篇(嘉言第五、善行第六)と言う構成。

 

以下、ほおーと唸った箇所を列記。

立教第一では「七年にして男女席を同じくせず、食を共にせず」(元は『礼記』)

「詩に興り、禮に立ち、學に成る」

明倫第二では「若し夫れ君臣の義、父子の親、夫婦の別は、則ち日に切磋して舎かざれ」(『荀子』)

敬身第三では「言、忠信ならず、行、篤敬ならずんば、州里と雖も行われんや」(『論語』)

稽古第四では「詩に云ふ、戦戦兢兢として、深淵に臨むが如く、薄冰を履むが如し、と。今にして後、吾免るるを知るかな、小子、と」(『詩経』)

嘉言第五では「學ぶ無きに如かざるなり」(『顔氏家訓』)

善行第六では「汪信民嘗て言ふ、人能く菜根を咬み得ば、則ち百事做す可し、と。胡康候之を聞き、節を撃ちて嘆賞す」(『呂氏師友雑録』)

 

菜根譚」の書名は最後の言葉に由来しているとか。「小學」274条から要諦80条目程を摘出した本書。熟読吟味出来たかどうかは今後の自らの振舞い・所作で示すしかない。