平成生まれ初の芥川賞作家と宣伝されたように記憶する。文章は確かに読みやすい。ストーリーの展開も「破局」というタイトルのとおり。ただ芥川賞に相応しいかと言われると少々疑問が。若手新人作家のための登竜門であるとは言え、中身があまりにもないのでないか？公務員を目指す大学4年生でラガーマンの主人公に、付き合っていた政治家志望の彼女がいながら、別の若い女性と付き合って前の彼女と別れ、その後、前の彼女を泊めてしまったこと（関係を持ったわけでもないが）が前の彼女にばれて、今の彼女とも別れる。そして最後は鍛え上げた肉体も、彼女が読んだ警察官に取り押さえられて、ジエンド。っていうお話だが、いったい、何が言いたいのだろうか？短時間で読めたという以外に何も得るものはなかったと言ったら言い過ぎですかね。「現代の虚無」とか持ち上げている人がいるようですが、私にはわかりませんでした。
