岡本綺堂 ちくま日本文学 032 1872-1939

2009年2月10日第1刷発行

 

反七捕物帳より

お文の魂

雪達磨                                               

三浦老人昔話より

 人参

 

解説・杉浦日向子(うつくしく、やさしく、おろかなり)によると、半七はシャーロック・ホームズのごとく、日本で一番愛されている探偵だとか。これまで名前は聞いたことがあるものの、読んだのはたぶん初めて。捕物帳の嚆矢とされているらしい。江戸末期の事件を題材に半七が謎解きを1話ごとに小気味よく展開する。三浦老人は半七の友人で同じく1話ずつテンポよく事件物を扱う。「人参」は逆恨みによる復讐を取り扱う短篇だが、何とも言えない味わいがある。テレビドラマで何度も何度もリメイクされているので、一度位みたことがあるかもしれないが、これまで余り印象に残っていなかった。今度じっくり観てみよう。