昭和58年11月2日1版1刷
①広島県生れ-村に江戸時代の風儀あり
②姫谷焼とお爺さん-福山へ骨董見物に
④強盗騒ぎ-床下で姉と恐怖の夜を送る
⑤福山中学に進学-在学時に校歌できる
⑥学校の靴屋さん-「精励恪勤そのもの」
⑦誠之館の山椒魚-ガブリと蛙ひと吞み
⑧画家気どりで瀬戸内海や京都に写生旅行
⑨早稲田へ―レインコートの出現に驚く
⑩廻陽軒の常連-小説家を志す仲間三人
⑪秀才青木南八君-自堕落な私を励ます
⑫関東大震災-余震の中を立川まで歩く
⑬同人雑誌を仕事の伴侶として半生を送る
⑭陸軍徴用員に-大阪からマレー半島へ
⑮私もいつしか骨董狂-強い祖父の影響
・明治31年2月15日広島県生まれ。6つの時に父を失い、祖父に甘え祖父に反抗した。福山中学には幕末に建てられた藩校(誠之館)の小講堂が残っていた。早稲田の文科予科生の間ではトルストイ文学の流行が凄かった。関東大震災後、郷里に帰ったが、1か月余りで再び上京した。聚芳閣という出版社の編輯部で校正や原稿の割付をした。奥付のない本を出すという大失敗をし、社を止めた。「文芸都市」「作品」「陣痛時代」「世紀」「文学界」など同人雑誌の仕事を伴侶として半生を送った。