15歳の寺子屋 乗り越える力 荒川静香

2011年5月16日 第1刷発行

 

荒川静香さんは努力の人です。この本を読むまでは、特殊な才能に恵まれて、金メダルが取れた人だと思い込んでいたので、勝手な先入観で人を判断するのは怖いですね。

もとより人並み外れた才能があることは、小学3年で3回転ジャンプをマスターし、全日本ジュニアフィギュア選手権で3連覇を果たし、全日本選手権でも優勝を飾るなど、その華麗の成績は文句なしで、明らかです。その後、スポーツ推薦で進学するのではなく、早稲田大学に入学してアルバイトしながら睡眠時間を削り、自分に合った演技を追い求め、妥協なくコーチングを受け入れ、そして遂にトリノで金メダルを獲得します。「自分らしく、自分を表現する」ことを長年追い求め、そして遂にそれを見つけ出した集大成、と本人が語っておられます。そんな地道な日々の努力こそが最後に実を結ぶ。天才とは努力の異名なりの言葉を思い起こさせてくれた一冊でした。