十二夜 ウィリアム・シェイクスピア 原作 小田島雄志 文

2016年9月初版第1刷発行

 

シェイクスピア37歳頃の作品(1601年頃)。十二夜とは、クリスマスから12日目の夜、つまり1月6日の夜のこと。エピファニーにあたる。この作品は、こんなに素敵なハッピー・エンド・ストーリーだったんですね。

双子の美しい兄のセバスチャンと妹のヴァイオラが航海の途中で遭難し離れ離れになって互いに兄は妹が死に、妹は兄が死んでしまったと思う。ヴァイオラは男装してシザーリオと名乗って公爵オーシーノに仕えているうちにヴァイオラは公爵に恋心を抱く。ところが公爵はオリヴィア伯爵の娘を愛し求愛するも、オリヴィア伯爵の娘は兄が亡くなって以来喪に服して面会を拒み続ける。それでも面会を求めようとして公爵はシザーリオを使いにやるが、オリヴィアはシザーリオに恋心を抱いてしまう。そんな中、セバスチャンがアントーニオと一緒にイリリアに乗り込み、遂にはセバスチャンとイザーリオが感動の再開を果たすとともに、オリヴィアはセバスチャンと結ばれ、ヴァイオラは公爵と結ばれるというハッピーエンドで終わる。途中でオリヴィアの侍女マライアがいたずらでオリヴィアの筆跡をまねて執事のマルヴヴォーリオを好きになってしまったかのように勘違いさせてマルヴォーリオにオリヴィアが一番嫌う服装をさせて狂人扱いさせたり等‥、読んでいて次から次へとおかしな話が続いて抱腹絶倒する話がテンポよく展開していく。喜劇、とは、かくあるもの!