働きアリの2割はサボっている 身近な生き物たちのサイエンス 稲垣栄洋

2008年11月1日第1刷発行

 

「身近な生き物たちの世界はこんなに深い! 一生に一度しか糞をしない生き物とは? カタツムリがブロック塀に集まるのはなぜ?」

「【本書の主な内容】かわいい模様は何のため(テントウムシ)/働き者はおばあさん(ミツバチ) しっぽはどこへ消えた?(オタマジャクシ)/地上四階の抜け殻の謎(カゲロウ) 二度寝して寝坊?(ヒキガエル)/真夏の夜の策略家(マツヨイグサ) オニと呼ばれる理由(オニヤンマ)/粗末にすると火事になる(ヒガンバナ) 自分の声はうるさくない(コオロギ)/人には言えない美しさの秘密(チョウ) 都会派は森の住人(カラス)/苦いのにはわけがある(フキノトウ)」

 

ケラは羽を広げて飛ぶこともできるし水の上を泳ぐことも土の中を掘ることもできる。ケラが前脚をいっぱいに広げてにげようとする姿がバンザイして「お手上げ」を連想させることから、一文無しになることを「おけらになる」というようになった。

ミミズは一つの体にオスとメスの両方の特徴を持った雌雄同体。

タツムリはブロック塀を食べている。殻を大きくするためにカルシウムを摂取するため。

タツムリも雌雄同体。

アメンボは独特のにおいを出すがこのにおいがこげたべっこう飴に似ていることから「飴んぼ」と名付けられた。

四つ葉のクローバーは、聖職者セント・パトリックがクローバーの三葉を愛・希望・信仰の三位一体にたとえ、四枚目を幸福と説いたことに由来する。

ひっつき虫(オオモミ)のトゲの構造(先端がかぎ状に曲がっている)は運動靴やおむつのカバーに使われている面ファスナーの発明のヒントになった。

日本人はコオロギの音を言語脳の左脳で聞くが欧米人は右脳で聞くので雑音にしか聞こえない。

哺乳類の中で赤い色が識別できるのはサルの仲間だけ、イヌやウシなどの殆どの哺乳類は青色と緑色しか見ることができない色盲

 

多種多様な動植物に関する含蓄深いお話が春夏秋冬ごとにまとめられています。動物にしても植物にしても生き延びてきたのには必ず訳があるということに得心しました。