生き物たちが先生だ しくみをまねて未来をひらくバイオミメティクス 針山孝彦

2023年3月7日初版第1刷発行

 

表紙裏「“ものすごい”発明が明らかにした、生き物たちの“ものすごい”しくみ

〇ものすごい発明とは?

真空状態の電子顕微鏡に生き物を入れると、ぺしゃんこになり、乾燥してしまいます。ところがそうはならずに、生きたままの姿で、細かなしくみが見られる方法が見つかりました。

〇ものすごいしくみとは?

タマムシの羽=色素がなくても、緑や赤、黄色に光ります。

フナムシの足=エネルギーをほとんど使わずに、水を吸いあげられます。

ヤモリの指先=細い毛のような構造だけで、天井にはりつくことができます。」

 

本書では、センダングサの実から面ファスナーが、ハスの葉の表面構造からよごれが流れおちる塗料が、タマムシの羽の色のしくみから建築物のゆがみを調べるゴムが、フナムシの足のしくみからエネルギーを使わずに水を吸いあげる板が、ヤモリの指先の構造から接着テープが開発されていることが、それぞれ少し詳しめに紹介されている。いずれも、目に見える形で実験結果を見える化し、それを日常生活の中に活かす科学技術につながっている、という話を、とても分かりやすく説明してくれている。小学生でも平易に分かるように書かれているところがとても好感が持てる。我が子に読ませたい一冊でした。