2015年4月30日発行
例えば、「阿漕が浦」を取り上げてみる。
落語の「西行」の話を紹介した後、染殿が「阿漕であろう」と言ったのは、
伊勢の海 阿漕が浦にひく網も、度重なれば、あらわれにけり
という古歌の心で、度重なっては浮名が立とうということだった。
落語の「西行」の話も、古歌の話も、大変面白い。
その上で、「阿漕」が度重なることを言い、それが転じて「あこぎな事をいうな」とか「あいつはあこぎな奴だ」というように、胴欲なという意味にまで変わってきた、という解説が加えられている。
全部が全部、こんなに面白い話ばかりでなく、中には眠たくなるようなものもあるにはあるが、原典、古典を含めて、勉強にはなること間違いない。