親鸞 激動篇(上) 五木寛之

2012年1月14日第1刷発行

 

帯封「絶対に面白い!そして、感動する。海がある。山がある。川がある。すべての人々に真実を伝えたい。流罪の地・越後へ向かった親鸞は、異様な集団の動きに巻き込まれる。累計100万部突破の、前作『親鸞』につらなる超大作」

 

 京から恵信とともに越後に流された親鸞。何百人もの乞者たちを引き連れて、額に焼き印を持つ外道院が、年に一度のお山下りの行列をする。ご勧進、と言いながら人々から差し出されたものを受けとっていく。流罪から1年が経過すると、親鸞は外道院から光明皇后が風呂でされたこと、すなわち膿崩れた悪臭を放つ重病人の膿を吸い取っては吐いたことを周囲の者に説明させられた。そして外道院が同じことを恵信にさせようとした瞬間、親鸞はそれはできないと否定した。が恵信はやり通した。しかし親鸞は自分の思い上がりを突き付けられて恥じ入る。越後の守護代戸倉兵衛は田以外の水利や鮭に目を付け、河原の支配者である外道院と郡司を潰す策を弄し、親鸞をおびき寄せるために娘を連れ去った。しかし娘の救出に成功する。法然上人が許されたという吉報に接する。鹿野の4歳になる娘を恵信は引き取るために上京する。依頼された雨乞いの法会7日間を飲まず食わずでやり抜く。その前日恵信が鹿野の娘を連れて戻る。雨乞いの結果なのか神がかったサトのお陰なのか分からないが、雨乞い後しばらくして4日雨が降り続く。守護代戸倉は溜池の堰を切って洪水を起こす。外道院はこの地を去る。