2014年11月1日第1刷発行
東国の妙禅坊から誘われて善鸞一家は東国へと旅立つ。唱導によって成功を収めたかに見えた。が親鸞からの教えを守らず、親鸞面授の東国の弟子たちと対立し、最後は親鸞から義絶される。都では竜夫人が遵念寺を建立するために莫大な費用がかかった。覚蓮坊は竜夫人がその費用捻出のため申麻呂に頼ってくるだろうからその時は竜夫人の財産を根こそぎ遵念寺もろとも手に入れる算段を申麻呂と立てた。申麻呂が竜夫人に近づくと、竜夫人が申麻呂の父親が誰なのかを教え、最後は申麻呂は覚蓮坊と別れることになる。間もなく完成する直前、竜夫人が覚蓮坊ら一味に連れ去れ、黒面法師が拷問しようとした矢先、早耳の長次が現れて救出。竜夫人は親鸞と再会を果たす。竜夫人はあの鹿野だった。いよいよ遵念寺が完成し、落慶法要の当日、竜夫人と親鸞が大勢の人とともに現れると、覚蓮坊の手はずで検非違使らが連行しようとする。が、竜夫人が宋から呼び寄せた男たちがそれを阻止し、それを呼んでいた覚蓮坊が集めた軍勢が現れ、大勢の念仏者を救う代わりに竜夫人と親鸞だけ出頭しろと迫る。その時、外道院が乞者や病者を大勢引き連れて覚蓮坊を追いやる。竜夫人は申麻呂と宋に渡り、常吉が寺を守っていた。が、ある日、親鸞は黒面法師が現れて今から覚蓮坊とともに寺に向かう、焼くために、との夢を見る。すると、常吉が覚蓮坊と刺し違えて両名とも死に、寺は焼失する。東国から善鸞の子如信が唯円とともに親鸞の下に来る。悪人救済を説けば悪に走り、念仏者として正しく生きよと言えば修繕に傾く。専修念仏の道を同貫くか。悩みつつ、娘覚信からは観音菩薩の生まれ変わりと言われ、９０歳で往生する。
